気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

東北 大口玲子

2005-05-27 11:16:51 | つれづれ
人生に付箋をはさむやうに逢ひまた次に逢ふまでの草の葉

死を言へば死の側に居ぬ我々の声まのびしてあかるむばかり

妻の名を花に与へて日本語の波間にあをくシーボルト居き

(大口玲子 東北)

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大口玲子の歌集を読み始めている。
一首目、草の葉というホイットマンの有名な詩集があるのを思い出す。
二首目、斎藤史の歌を思い出す。「死の側より照明(てら)せばことにかがやきてひたくれなゐの生ならずやも」
三首目、シーボルトの奥さん(日本人)の名前がお滝さんだったことから、アジサイの学名はオタクサになったというエピソード。
題材がエレガント。こういう謎?を解くのは密かなたのしみ。