気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

新月の蜜

2005-05-06 18:23:34 | つれづれ
苦手なる食べ物聞けばしばらくを少年考へ答ふ 鍋物

聞き分けのよき少女なり先生も親も嫌ひと言はず帰りぬ

三件のカウンセリングをわが終へつ今日の子ら誰と何食べをらむ

(伊藤一彦 新月の蜜)

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カウンセラーを職業とする宮崎県在住の歌人。
一首目、結句の鍋物の前の一字開けが効いている。食べることは生きることだ。
子供たちへの真摯な愛情を感じる。