気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ブロッコリー

2005-05-03 19:42:40 | おいしい歌
喉をゆくブロッコリーのこまかさは一塊の森さやぐ涼しさ

はつなつのレタスの葉脈ひとすぢを噛みて断ち切る思ひもあらむ

たましひをそそる明るさつややかなホタルイカつまむ人の指こそ

山羊食へば山羊の心を食ふごとし沖縄食堂に我は汚れて

(大口玲子 海量)

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大口玲子は酒豪でもあり食べることにも豪快な人のようだ。
ブロッコリーは私の好物だが、それが喉を通るとき森のようだという比喩に驚いた。
見た目も森のようだが感触もそうかもしれない。ホタルイカの明るさ、山羊の心…感心させられた。