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ローランド・カークのヴァーヴ盤

2018-12-09 | JAZZ
数あるローランド・カークの作品の中にあって、唯一ヴァーヴに録音されたこのレコードは、いつもと違って爽やかなカークのプレイを聴くことが出来ます。
「NOW PLEASE DON′T YOU CRY, BEAUTIFUL EDITH」 VERVE V6-8709
  
1. BLUE ROL
2. ALFIE
3. WHY DON′T THEY KNOW
4. SILVERLIZATION
5. FALL OUT
6. NOW PLEASE DON′T YOU CRY, BEAUTIFUL EDITH
7. STOMPIN′ GROUND
8. IT′S A GRAND NIGHT FOR SWINGING
ROLAND KIRK(reeds, fl) LONNIE LISTON SMITH(p) RONALD BOYKINS(b) GRADY TATE(ds)
録音 1967年5月2日
掲載したのは安価なフランス・モノラル盤ですが、クリード・テイラーのプロデュースとなれば、聴く前から内容については大方検討が付くというものであり、リーダーがローランド・カークと言うことから少しは期待を裏切るかと思いきや、いい意味での期待外れとなっています。

1曲目の「BLUE ROL」は、ゆったりした雰囲気のブルースで、カークがクラリネットとテナーサックスを同時に吹くことで、エリントンの音楽を再現しているような雰囲気を持っていて、モノラル盤であることから「音」が中心に集まっていることで、その効果が一層際立っています。
そして、後半ではその殻を破り本来のカークが顔を出すことで、納得の1曲でもあります。
2曲目の「ALFIE」は、お馴染みのバカラックの曲で、テナー、マンセロ、ストリッチと楽器を変え、最後はテナーに戻ってロリンズの曲に変わるというアイデアが、カークらしいです。
3曲目の「WHY DON′T THEY KNOW」は、ピィー・ピィーとホイッスルの音で始まるボサノバ、
4曲目の「SILVERLIZATION」は、マンセロとテナーの2重奏から始まる爽やかな曲、そして8ビートの「FALL OUT」へと続きます。
6曲目のタイトル曲である「BEAUTIFUL EDITH」は、奥様に捧げたたもので、ストリッチで切々と演奏される涙ものの1曲です。
7曲目の「STOMPIN′ GROUND」は、テナーとマンセロを交互に吹き分け、最終曲のフルート演奏へと続きます。

これはカーク31歳、ロニー・リストン・スミス27歳、グラディ・テイト35歳という若き時代の演奏ですが、カークは何時もの強烈な個性を封印し、最初から最後まで温かい雰囲気を持った演奏に終始しています。
ジャケットの表裏に映っている女性はカークの奥様で、タイトルの「美しいイーディス」は彼女のことを指しています。

それはそうと、12月5日はローランド・カークの命日に当たり、今年で41回目となります。

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