まわりで起こっていること

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嵐の屋根

2008年05月30日 | Weblog
いそうろう 嵐の屋根を はいまわる

という川柳。

それこそ、川柳川柳の「湯屋番」という落語の枕でつかっている。

嵐になって、屋根から雨漏りでもしたか、屋根板が飛びそうにばたばた音を立てたか、なんだろうね。

いそうろう、怖いんだけど、日ごろ、無理やり住まわせて貰っているんで、なんか、目だって役に立つことをしなきゃね、と。

いそうろう的なこころの動きって、日常生活の中にもあるよね。

これに出てくる若旦那は、もう少し、ノー天気だけどね。

落語ってのは、普通の人間のこころの動きに敏感だから。

「天災」なんていうのも、おもしろい。

ミャンマーのサイクロンや四川省の大地震のあとでは、ちょっと、天災、というのを、軽々しく使うのは、抵抗があるけど。

これ、春風亭柳橋できいた。

喧嘩っぱやいクマさん。

女房は殴るし、オフクロにまで、手を上げる。

べにらぼうなまる、という心学の先生のところへ、ご隠居に紹介されて、話をききにいく。

あなたは、喧嘩がお好きとみえる。

そうとも、べらぼうめ、喧嘩なら、いくら安くても買うぞ、買おうか、と。

ま、ナンにでも、腹を立てて、踏んづけちゃいたくなるクマさんなんだけど、ね。

野原の真ん中で、土砂降りの雨がふってきて、ずぶぬれになったらどうします、と先生が言う。

べらぼうめ、天道のやろうをひきずりおろして、といいかけて、そりゃ、喧嘩、できないな、と腑に落ちる。

そうでしょう、それをわれわれの世界では、天災、というんですよ、とさとされる。

いいことをきいた、と長屋にかけつけて、たまたま、夫婦関係でもめているところへ、わりこんで、天災、を使おうとする、という流れなんだけどね。

これは、クマさんでなくとも、覚えたばかりの言葉は、使いたくなるもんだからね。

横文字だったり、四文字熟語だったり、新興宗教の用語だったり。

良かれと思って、人におしつけたくなるんだよね、おしつける、なんて自覚してないけど。

霊的な話、こうしたらもうかるぞ的な話、こうしたらもてるぞ的な話、それこそ、枚挙に暇がないほど、まわりにはあふれかえっているからね。


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