下村アナ

もとTBSのアナウンサーだった人だけど、下村さん。

今はフリーで、この間、みのさんの朝のニュース番組で、稚内の母親殺しのレポートをしていた。

30万円もらって、友達の母親を殺してくれ、といわれ、実行した、という事件なんだけど。

その少年二人の育った環境や現状について、丁寧なレポートだった。

政治評論家の森田実さんなんかには、魂を売った民放、と言われているけど、なかには、きらりと光るものもあるんです。

両少年とも離婚した家族だし、殺した少年は父親と二人で暮らしていたんだけど、事件の前に、父親が遺書を残して、自殺している。

先立つ不幸をお許しください、ふうの言葉の羅列なんだけど、おいおい、子どもにいうなよ、だろうね。

娘の同級生にも小学生のころ、母親が出て行ってしまった兄弟がいて、当然、洗濯もままならず、くさい、と周りのオトナたちは言っていた。

ふだんの会話では、人権派的な言動の方も、そんな反応だったことはよく覚えている。

同じく、娘が原っぱに捨てられていた子犬を見つけ、僕が、晩秋の夕暮れ時に、ひろいに行ったときの、あの胸がキュンとなる感覚と、かれら兄弟が、人にくさいと言われたときに感じたものは、一緒だった。

くさいと言われた兄弟の長男が、あるとき、自転車ですれ違って、おーい、元気か、と声をかけると、遠くのほうからUターンしてきて、満面の笑顔で、いま、これこれ、やってるよ、と言ったっけ。

そんな具体的なことをもう一度、思い起こさせてくれた下村さんのレポートは、哀しいけれど、いいレポートだった。

母親懇談会

息子の友達のおかあさん達とランチ。

妻も交えて、総勢4人。

PTAの母親懇談会みたい。

朝起きれない、出席日数が足りない、卒業できるかしら。

そのレストランは、中では煙草すえないので、そとのテラスの席にしてもらう。

パスタとバイキング、それに、フリードリンクで、12時半から4時近くまで。

普段しないような会話なので、楽しかった。

途中、妻に、小声で、えらいでしょ、あきなくて、と。

よくよく話を聞いてみると、3人とも、お嫁ちゃん。

仕事で疲れて帰ってくると、おじいさんが、あんなはずじゃなかった、煙草は吸うし、夜中に出かけるし、という。

もう、どうにもならなくて、二階へ上がって、寝ちゃう、なんて、わが妻の台詞だよ。

こんな感じの会話が、ぽろぽろと出てくる。

今度はだんなさんも交えて、やりましょう、ということで、お開き。

俯瞰して言えば、子どもに育てられてる、なんていえるけど、事件は現場で起こっているので、なかなか、そうもいえなくて。