土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

天空都市(4)   とにかく働き者の女性達&ノスタルジア

2010-10-03 12:32:28 | ボリビア(2nd)
 人口約20万人を擁するP市の家庭生活を支える食材や日用用品の店は市中心街に食材を扱う「中央市場」と日用品や雑貨を扱う「路地通り商店街=露店」がありますが、土・日曜日は市街地の北側のはずれの鉄道駅に並行して約1.5kmの露店が、何処からともなく現れ商店街を作ります。P市は「宝の山」を頂上にそこから市街地を抜けて鉄道駅やバスターミナルへと北側に向けて急勾配で下がっております。どういう訳か「働いているのは殆どが女性です」。
 男性は「宝の山」で年中、宝探しをしているのでしょうか。それとも出稼ぎに他県に行っているのでしょうか。多分に後者だと考えています。この店は女性用用品店です。非常にカラフルです。



 赤子を抱いた女性が商売をしています。同じ用品を扱っていますが、こちらは風及び日除けのシーとは全面覆っていません。店により差があります。こうしてひねもす無言で商売しております。が周りの店の様子は一切きにせず、ここにいてこういう風にしているのが楽しみのように見えます。



 洗剤やの横がパスタ屋です。どういう取り合わせなのでしょうと言う詮索は一切無用です。
 ラテン系の民族は必ずスープの中にパスタを入れます。
 街にはピザ屋はありますがパスタレストランは見受けられません。自分らの家庭で作るパスタが一番美味しいのです。



 野菜屋です。肉同様にkg単位でしか売りません。アンデスが原産地の野菜が並びます。
 それにしても働いている女性は体格が良いですねー。余った物は家で食べているのでしょうか?(失礼ながら憶測でものを言っております。)



 ここも野菜や果物を売っております。店が競合しても他店の状況はお構いなしです。
 じっと座って客を待っています。広大なアンデス同様に自然にまかせて生きているのでしょうね。



 対面の店も野菜や果物を売っております。どういう訳か、一応は種類別に店が立つているのが形式のようです。競合や競争はここでは無関係です。



 こちらの女性は生きたニワトリを売っています。そういえば3食の食事には鶏肉が入ったスープが必ず出てきます。ニワトリを捌くのも女性です。売った鶏は用意した段ボールにいれ売買成立です。



 これは何屋だと思います。南米人にはとにかく辛いものが大好きです。どんな料理にもこれらを調合し汁状にしたものを掛けて食べます。ワサビの辛さをはるかに超越しています。特にアンデス山脈に居住しているインディヘナの物は数段辛さが強くしてあります。やっぱり寒さに耐える為の知恵なんでしょうね。ここに並べられているものは全て香辛料です。



 ここは靴や通りです。運動靴から履物は何でも有ります。運動靴は高級品で通常はサンダル履きです。運動靴はサッカーするために必要ですので男性にとっては高価な買い物です。



 日用雑貨品通りです。何処から、土・日曜日だけに、ここの露店にどういう経路で運んでくるか不明です。金曜日の夜から運んでいると聞いています。



 同上日用雑貨店です。手前は化粧品です。化粧は女性のたしなみなのでしょう。



 ここの人々は以前はインディオと呼ばれていましたが、前にも記述しましたが、これは蔑視語で正確には「インディヘナ」と呼びます。この店は女性のスカートを売っております。スカートは何枚も重ねて(十二単みたいに)はきます。きっと寒いから厚着をするのでしょうか。



 スカート店の角を曲がった所にも洋品店?がありました。歩道に陳列?しきれず、他人の家の壁が朽ちた所に並べておりました。ここの女性はカメラを気にし木の陰に隠れておりますし、シートで顔を隠しました。何か気味の悪い奇妙な者を見たのでしょうか。



 本屋です。娘さんが留守番をしておりました。中央に座って店の本をただ読みしていました。本屋は全分野、何でも揃っています。ただあまり売れてないようでした。理由は文盲率の高さと庶民には買える値段ではないからです。



 奥の露店はサングラス屋です。何しろ標高約4,000m強ありますので日差しが強く、サングラスは必需品ですがUV仕様などと言う物は有りません。だから日焼け防止に帽子を被っております。そういえば女性は大半がシルクハットみたいな帽子を着用しています。生活の知恵なのでしょうか?



 場所取りが出来ない女性は一輪車で物売りしています。でも坂道ですから重労働でしょうけど元気な女性でした。こちらは一個でも小売りをしてくれます。



 この女性は教会の瓦を張り替えていました。高さは20m位あります。本当にすごい女性です。男性は何をしているのでしょうか。きっと昔からの風習なんでしょうか、それとも別な理由があるのでしょうか。



 洗濯はたらいで手洗いです。この二の腕で絞られたら、汚れも落ちるけど、繊維もほころびそうです。



 前記しましたが体格が良いのはただ太っているだけではなく働き者で筋肉質なのかも知れません。



 最初は洗濯板(今はセラミック製)のたらいで洗剤と水でそれこそゴシゴシ何回も汚れを落とします。この後、濯ぎも何回も行います。



 このお母さん(黒い服)と娘(手前の白い服)は何をやっているのでしょうか?サーカーゲーム機の上のシートをばらしていました。今日はお祭りで目の前の通りでダンスパレードが始まります。



 この貨物列車は停止しています。機関士や乗組員はダンスパレードを見ているのでしょうか?



 上記の母と娘のゲーム機が列車妨害をしていたのです。ゲーム機を動かし、列車は通行しています。のどかな風景です。運転手はもちろん、周りの人間も我関せずでいました。



 この黒装束の女性は泥棒では有りません。橋梁に使用する鉄筋の錆を磨いていました。
 本当にここの女性たちは何でもするのですね。男には任せてやれないと言う感じです。



 上記写真の脇を下校中の兄妹がそこそこと帰宅していました。お兄ちゃんの方はあちこちよそ見をしていましたが、ちゃんと妹について来ていました。妹の方がしっかりしています。筆者も昔はこうだったのではと自然に頬が緩んできました。遠い昔の話です。



 こちらは下校中にサッカーゲームを興じる小学生。やっぱり南米はサッカーしかないですよね。筆者の下校中には何をやってたか分かりませんが、真っ直ぐには帰宅してなかったように記憶しています。



 この景色はこの街を訪れる訪問者は必ず写真に収めます。アーチ門を通して「宝の山」を望んでいます。でもこのアーチ門は「宝の山」で働く鉱山労働者居住区との境界だったのです。アーチ門の手前に征服者達が市街を築き、鉱山労働者はアーチ門の向こうに住んでいました。



 アーチ門の鉱山労働者居住区です。今で約650年経過しています。昔の悲惨な時代の面影も残っています。



 「宝の山」に向かい道路が造られ、日干しレンガで造られた居住区は今は2階建になり、今でも住民が居住しております。



 昔は瓦は無かったのでしょうね。今は電気や水道が引かれ居住地となっています。



 同上。2階建てになっただけ生活が豊かになったと考えられます。



 南米の10月は春(日本の4月)です。咲きました紫色の「ジャカランダ」の花が。
 自然だけは人々の心を古の時代から変わらずに癒してくれたのです。
 「ふるさとは花ぞ昔の・・にほひける」でしょうか。



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