土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

天空都市(3) いざ天空都市へ

2010-09-06 03:14:05 | ボリビア(2nd)
 標高2,750mの白い街Ciudad Blancaを後にいざ天空都市へ登ります。道中自転車で登坂する元気な青年に出会いました。多分に心肺能力を高める訓練をしていると思います。眼前に見える山はまだまだ5,000m級の山ではなくアンデス山脈はさらに続きます。



 どこまでもどこまでも天空都市への道は果てしなく続きます。
 


 今は乾季なので降雨はありませんので河川には僅かしか流れは有りません。季節は4シーズンありますが降雨は2シーズンです。この川はPILCOMAYOと言いパラグアイを経由しアルゼンチンから終点は大河ラプラタ河に注いでいます。かつてP市で鉱石が選鉱されるまでの過程ででる廃水(液)が処理不十分で3国間の国際問題になっていましたが、国際機関の協力で近年はP市において廃水(液)処理されていると聞いております。



 途中の峠からPILCOMAYO川を望んでおります。この位置で富士山の頂上約3,800mです。



 河川内は土石が堆積しており、国道に架かる橋は大洪水が来れば埋没する状況ですが資金面の手立てがつかないのでしょうね。政経上の首都La Pazから約550km離れたP市までは国道1号線でこの写真の道路は憲法上の首都SUCREからP市をつないでいる国道5号線です。



 PILCOMAYO川に掛かる美しい吊り橋がありました。征服者スペイン人がP市から産出され、造幣された銀貨をSUCREに運ぶ為に造られた馬車道と考えます。



 メイン吊りケーブルの橋台部です。約30ストランドのケーブルが片側で2条づつあり、それで橋長約200mの床版桁を吊っております。床版は木製です。アンカー部は土で埋まって見えませんでしたし現在この橋は通行止めとなっているようです。機会があれば是非渡ってみたいものです。



 アンデス山脈の特徴である尖った山々が見えてきました。



 同上。白く見えるのは石灰岩です。



 全て鉱山ですが手をつけていません。それ以上に立地の良い場所に無数にあるからです。だが政治の混乱が続き「宝の上に寝転んでいる乞食」と揶揄されております。ここP市はP県にあり全ての山は鉱山です。また最近チリ側のウユニ塩湖にて世界の半分の埋蔵量を占めるレアーメタルのリチウムが発見され国際間で激しい獲得競争が繰り広げられています。



 家路につくリャマ達でしょうか。道路の側道を整列して歩いていました。不思議なカメラマンを怖い目つき?で見ておりました。 多分に警戒をしているものと思います。



 それにしてもどこまでも美しい空と大地が続きます。



 何で標高約4,000mのところにサボテンがあるのでしょうか。高さは約2mあり、運転手いわく約200年経つと言っていました。それが本当ならすごいものを見たことになります。


 
これはユーカリの木です。ここ南米では低地でも高地でもどこででも見られます。



 山の天気は変わりやすく雲の形が変化してきました。が降雨は見られません。



 この眼前の山は裂けて谷になっております。自然の力を目の前に見るとただただ茫然とするばかりです。



 酸素濃度は次第に薄くなっているのを感じておりますが、青い空、白い雲とアンデスの山々と心休まる空間がここにはありました。



 これは数少ない緑を求めそれを食べているリャマ達です。もうすぐ春ですから雨が降り緑も少しは多くなります。



 これこそ火山活動で造られた造形美です。この縦に節理があるのは溶岩が柱状に流れ出し固まったからです。一般的に「柱状節理」と呼びます。柱状は縦ですが横の場合は「板状節理」と呼びます。畏敬を感じ得ます。



 面白い岩です。どうしてここにおいてけぼりにされたのでしょうかねー



 標高約4,000mに来ました。遠くに見える山が標高約4,800mの「宝の山」です。征服者達は銀のみを採掘しましたが、その他、錫、亜鉛及び鉛も多く産出します。但し掘りすぎて崩落の危機に面しています。



 街の中から「宝の山」を撮りました。このP市は世界最高所の都市と呼ばれています。 



 P市の西側を撮っています。周囲は5,000級の山に囲まれています。

 

 P市の中央部です。ここには征服者達が築いた美しい教会等の建造物が存在しユネスコの世界遺産に指定されております。勿論、「宝の山」もです。
 


 P市の東部を撮っております。雪は時にしか降りませんし、降っても太陽が近いので?すぐに溶けます。「宝の山」も時には冠雪します。



 P市の中央部を大写ししました。カテドラルやその他美しい教会が見えます。SUCREはCiudad Blanca (白い街)と呼称されていますがP市はVilla Imperial(帝国の街)と称されています。日本でいえばさながら奈良か京都でしょうか。



 一方、庶民の暮らしは質素です。1本の電柱から無数の線を取って(盗って)生活をしています。この場所(Zona Sateliteと言います)は市中心部より約200m~300m低く酸素濃度が少し濃いので富裕層が住んでおります。一般的に大勢の家族が住んでおり、また生活用水が不足しているため、共同シャワー及び共同便所です。夜は零下になります。



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