
志賀原発と金沢の風向調査
<気象庁志賀町観測所>
志賀原発で福島のような事故が起きたとき、風によって放射性物質がどのように運ばれるのか。気象庁志賀町観測所のデータ(2011.1~12)で検討してみた。
志賀原発と金沢市、富山市、奥能登の位置関係は別図の通りである。志賀原発から金沢(50km)はほぼ南方向、富山(50km)へはほぼ南東方向、奥能登へは北東方向である。
<注目すべきデータ(2011.1~12)>
★日本海金沢沖への風(193日)
★奥能登方向への風(108日)
★富山方向への風(50日)
★金沢方向への風(14日)
<奥能登方面>
志賀原発から輪島、珠洲、七尾方向に吹いた風は年間108日であった。
この風が吹いているときに、原発事故が起きると、20キロ先の七尾湾のカキやブリの養殖は重大なダメージを受ける。輪島、珠洲の市民は陸の孤島となり、逃げ場を失い、放射能に被ばくし続けることになる。
能登半島西方海域に向かって吹く風の場合も、飛散した放射性物質が海に降り注ぎ、北上する対馬海流に乗って、能登半島海岸部を汚染する。
福島原発からは大量の汚染水が放出されたが、志賀原発から日本海に放出されれば、魚はもちろん沿岸のワカメ、岩のりが放射性物質に汚染される。(ナホトカ号の重油流出事故を思い出してほしい)
<金沢方面>
金沢は志賀原発から50キロ南方にあり、この方向への風は昨年1年間に14日だった。
能登半島から西方海域(金沢沖)に吹く風は年間193日もあり、金沢市はもちろん白山市、小松市などの沿岸部を汚染する可能性が高い。また、海に降り注いだ放射性物質は対馬海流に乗って、海岸部を汚染する。
<富山方面>
能登半島から氷見、高岡、富山方向に吹く風は年間50日もある。金沢方向に吹く風の3倍以上であり、原発が隣県にあるからといって安心してはいけない。風には国境も、県境もないのである。
この風が吹いているときに、原発事故が起きれば、富山湾の漁業は全滅であろう。空中から降り注ぐ放射能だけではなく、能登半島や富山平野から、放射性物質を含む雨水によって、富山湾は凝縮的に汚染されるであろう。
福島県いわき市漁協は毎週1回調査漁業をしてきたが、1年たった今も、1匹の魚も市場には出せない状態である。あの、巨大な太平洋でさえもそうなのだ。放射性物質を甘く見てはいけない。
<結論>
今回の検討は気象庁の「最多風向」のデータを使用し、風向と放射性物質の拡散について検討したが、風向は一刻一刻変化している。風上だからといって安心は出来ない。
地震も自然のなせるわざであるし、風向きも自然のなすがままである。私たち人間も自然から生まれ、自然に還る存在であり、自然をコントロールできるなどという傲慢な態度は許されない。志賀原発の運転再開など論外である。
<気象庁志賀町観測所>
志賀原発で福島のような事故が起きたとき、風によって放射性物質がどのように運ばれるのか。気象庁志賀町観測所のデータ(2011.1~12)で検討してみた。
志賀原発と金沢市、富山市、奥能登の位置関係は別図の通りである。志賀原発から金沢(50km)はほぼ南方向、富山(50km)へはほぼ南東方向、奥能登へは北東方向である。
<注目すべきデータ(2011.1~12)>
★日本海金沢沖への風(193日)
★奥能登方向への風(108日)
★富山方向への風(50日)
★金沢方向への風(14日)
<奥能登方面>
志賀原発から輪島、珠洲、七尾方向に吹いた風は年間108日であった。
この風が吹いているときに、原発事故が起きると、20キロ先の七尾湾のカキやブリの養殖は重大なダメージを受ける。輪島、珠洲の市民は陸の孤島となり、逃げ場を失い、放射能に被ばくし続けることになる。
能登半島西方海域に向かって吹く風の場合も、飛散した放射性物質が海に降り注ぎ、北上する対馬海流に乗って、能登半島海岸部を汚染する。
福島原発からは大量の汚染水が放出されたが、志賀原発から日本海に放出されれば、魚はもちろん沿岸のワカメ、岩のりが放射性物質に汚染される。(ナホトカ号の重油流出事故を思い出してほしい)
<金沢方面>
金沢は志賀原発から50キロ南方にあり、この方向への風は昨年1年間に14日だった。
能登半島から西方海域(金沢沖)に吹く風は年間193日もあり、金沢市はもちろん白山市、小松市などの沿岸部を汚染する可能性が高い。また、海に降り注いだ放射性物質は対馬海流に乗って、海岸部を汚染する。
<富山方面>
能登半島から氷見、高岡、富山方向に吹く風は年間50日もある。金沢方向に吹く風の3倍以上であり、原発が隣県にあるからといって安心してはいけない。風には国境も、県境もないのである。
この風が吹いているときに、原発事故が起きれば、富山湾の漁業は全滅であろう。空中から降り注ぐ放射能だけではなく、能登半島や富山平野から、放射性物質を含む雨水によって、富山湾は凝縮的に汚染されるであろう。
福島県いわき市漁協は毎週1回調査漁業をしてきたが、1年たった今も、1匹の魚も市場には出せない状態である。あの、巨大な太平洋でさえもそうなのだ。放射性物質を甘く見てはいけない。
<結論>
今回の検討は気象庁の「最多風向」のデータを使用し、風向と放射性物質の拡散について検討したが、風向は一刻一刻変化している。風上だからといって安心は出来ない。
地震も自然のなせるわざであるし、風向きも自然のなすがままである。私たち人間も自然から生まれ、自然に還る存在であり、自然をコントロールできるなどという傲慢な態度は許されない。志賀原発の運転再開など論外である。
