20240220 自然を侮(あなど)れば、志賀原発は……
逃げられない!
原発事故には原発単独の事故もあれば、地震や津波と併発する複合災害もある。2024能登半島地震(震度7)によって、国道249号の25区間が通行止め(1/5時点)になったという(2/8北中)。これじゃ、志賀原発で原子炉事故が起きても、周辺の住民は逃げようと思っても、土砂や亀裂で陸路(249号線、能登里山海道)が塞がれ、福浦港には津波が襲い、能登空港の滑走路がひび割れ、1月27日まで使えなかった。
1月16日時点での能登半島の通行可能道路をみると、志賀原発周辺の道路は未だに通行できず、陸の孤島状況である。これで、どうやって拡散する放射能から逃げろというのか。
行政のミスリード
2024能登半島地震で、志賀町では震度7(1/1),震度6弱(1/6)で、規制庁は「警戒事態」に該当するとしたが、前者では5時間後に、後者では40分後に警戒本部を廃止した。ろくな調査もせずに、なぜ警戒本部を廃止したのか。石川県も志賀町にたいして、原発5キロ圏内の住民に避難準備を指示しなかった。その理由は国からの指示がなかったからだという。
どこも、ここも無責任極まりない対応ではないか。住民の命をどう思っているんだ。金儲けのために原発を作り、事故が起きても知らん顔の北電と行政。まさに「今だけ、金だけ、自分だけ」の世界だ。
北電は能登半島北側で活断層が96キロ連動すると想定し、これまでは政府も否定せず、今回の地震でその1・5倍の150キロ(志賀原発の近くまで)が連動したと認めざるを得なかった。「原子力安全規制ルール」では、「可能性が否定できないものは考慮する」とされているが(2/19北中)、実際には、富来川南岸断層と兜岩沖断層が活断層としてつながっているという指摘がありながら、規制委員会は耳を傾けず、無視して志賀原発2号機の再稼働にゴーサインを出そうとしてきた。この富来川南岸断層が動いたのである。
自然を侮(あなど)れば
「能登はやさしや土までも」と言われてきたが、私が知る能登の人には、室源三さんがおり、中町良雄さんがおり、木谷重一さんがおり、泉勲さんがおり、そして橋菊太郎さんがいた。いずれの人も優しいばかりではなく、ズシンと肝の据わった人たちであった。
木谷さんは漁師であり、石川県知事・中西陽一にたいして、「わしの腹をかっさばいてやるか、お前らのようなドス黒い血じゃなく、真っ赤な血が流れとるんやぞ」と啖呵を切っていた。室さんは新聞記者出身で、反原発運動の理論的リーダーだった。泉さんはシイタケ栽培をしている農民で、訪問するたびに、両手にいっぱいのシイタケをもらってきた。中町さんを訪問し、話し込んでいると、隣室では奥さんが岩のりをひろげて乾燥しており、私が珍しそうに見ていると、「岩のり取りの苦労を知らない人には、あげられない」と、能登の生活の厳しさを垣間見させられた。
自然を侮れば、そのしっぺ返しは地元住民ひいては石川、北陸、全国の市民が引き受けねばならなくなるのである。能登の優しさに潤む目をかっと見開いて、志賀原発建設とたたかった人たちの遺志を継いで、志賀原発を廃炉にしなければならない。
追伸
2/21『北陸中日新聞』には、「国道249号、復旧見通せず」という記事が掲載された。未だに、249号線では231カ所に土砂崩れや路面の亀裂があり、「壊滅的な被害」で、緊急復興時期も「見通せない」という。これが、原発事故と重なったら、……。自然災害は止められないが、原発は人為的に作られたものであり、能登半島に人(生き物)が住むためには、撤去しなければならない。
逃げられない!
原発事故には原発単独の事故もあれば、地震や津波と併発する複合災害もある。2024能登半島地震(震度7)によって、国道249号の25区間が通行止め(1/5時点)になったという(2/8北中)。これじゃ、志賀原発で原子炉事故が起きても、周辺の住民は逃げようと思っても、土砂や亀裂で陸路(249号線、能登里山海道)が塞がれ、福浦港には津波が襲い、能登空港の滑走路がひび割れ、1月27日まで使えなかった。
1月16日時点での能登半島の通行可能道路をみると、志賀原発周辺の道路は未だに通行できず、陸の孤島状況である。これで、どうやって拡散する放射能から逃げろというのか。
行政のミスリード
2024能登半島地震で、志賀町では震度7(1/1),震度6弱(1/6)で、規制庁は「警戒事態」に該当するとしたが、前者では5時間後に、後者では40分後に警戒本部を廃止した。ろくな調査もせずに、なぜ警戒本部を廃止したのか。石川県も志賀町にたいして、原発5キロ圏内の住民に避難準備を指示しなかった。その理由は国からの指示がなかったからだという。
どこも、ここも無責任極まりない対応ではないか。住民の命をどう思っているんだ。金儲けのために原発を作り、事故が起きても知らん顔の北電と行政。まさに「今だけ、金だけ、自分だけ」の世界だ。
北電は能登半島北側で活断層が96キロ連動すると想定し、これまでは政府も否定せず、今回の地震でその1・5倍の150キロ(志賀原発の近くまで)が連動したと認めざるを得なかった。「原子力安全規制ルール」では、「可能性が否定できないものは考慮する」とされているが(2/19北中)、実際には、富来川南岸断層と兜岩沖断層が活断層としてつながっているという指摘がありながら、規制委員会は耳を傾けず、無視して志賀原発2号機の再稼働にゴーサインを出そうとしてきた。この富来川南岸断層が動いたのである。
自然を侮(あなど)れば
「能登はやさしや土までも」と言われてきたが、私が知る能登の人には、室源三さんがおり、中町良雄さんがおり、木谷重一さんがおり、泉勲さんがおり、そして橋菊太郎さんがいた。いずれの人も優しいばかりではなく、ズシンと肝の据わった人たちであった。
木谷さんは漁師であり、石川県知事・中西陽一にたいして、「わしの腹をかっさばいてやるか、お前らのようなドス黒い血じゃなく、真っ赤な血が流れとるんやぞ」と啖呵を切っていた。室さんは新聞記者出身で、反原発運動の理論的リーダーだった。泉さんはシイタケ栽培をしている農民で、訪問するたびに、両手にいっぱいのシイタケをもらってきた。中町さんを訪問し、話し込んでいると、隣室では奥さんが岩のりをひろげて乾燥しており、私が珍しそうに見ていると、「岩のり取りの苦労を知らない人には、あげられない」と、能登の生活の厳しさを垣間見させられた。
自然を侮れば、そのしっぺ返しは地元住民ひいては石川、北陸、全国の市民が引き受けねばならなくなるのである。能登の優しさに潤む目をかっと見開いて、志賀原発建設とたたかった人たちの遺志を継いで、志賀原発を廃炉にしなければならない。
追伸
2/21『北陸中日新聞』には、「国道249号、復旧見通せず」という記事が掲載された。未だに、249号線では231カ所に土砂崩れや路面の亀裂があり、「壊滅的な被害」で、緊急復興時期も「見通せない」という。これが、原発事故と重なったら、……。自然災害は止められないが、原発は人為的に作られたものであり、能登半島に人(生き物)が住むためには、撤去しなければならない。