九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

紳助事件についてのささやかな疑問   らくせき

2011年08月24日 19時12分46秒 | Weblog
島田紳助さんが暴力団と付き合いがあったとして
引退を表明した事件。
大筋は分かりましたが、ひとつの疑問。
暴力団との付き合いは、右翼とのトラブルという。
そもそも、この時、警察が頼りになる存在だったら・・・?
と思いました。
世間知らずの疑問ですが。

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「支給」とは、〈あてがう〉こと      只今

2011年08月24日 16時50分01秒 | Weblog
文化系さんが根気よく追求されている〈官僚制度のメカニズム〉の労に呼応すべく、役所の言語からそれを見てみたいと思います。

  ●新聞には毎日のように、「罹災者に義援金を給付」「罹災者に見舞金の支給」といった記事がみられますが、
   この〈給付〉とか〈支給〉といった用語はどんな意味を持つか。
  ちなみに『母子保健法』には、次のような条項がみられます。
    【未熟児に対しその養育に必要な医療の〈給付〉を行い、
     又はこれに代えて養育医療に要する費用を〈支給〉することができる】

    この〈給付〉〈支給〉とはどういう意味か、手元の辞典を広げてみました。
    ★給付とは、「品物やお金をくばり与えること」=『講談社・国語辞典』
            「特定の相手に何らかの物品もしくは便宜を与えること」=『新明解』
    ★支給とは、「金品をあてがうこと」=『講談社・国語辞典』
            「所属の公務員・会社員に給与や現物などを手渡すこと」=『新明解』

   ◆つまり、「配り」「与え」「あてがう」ことなのです。
    これは、動物園の動物に餌を与える時の表現ではありますまいか。
    〈給付〉でなく、「役に立つようにと差し出す」意の〈提供〉では何故いけないのか。

  ● このような用語は至る所に見受けられます。
    「点字図書館は無料又は低額な料金で点字刊行物を盲人の求めに応じて閲覧させる施設とする」という条項が
    『身障者福祉法』にみられますが、この条項にある〈閲覧させる〉は、〈閲覧できる〉ではないか。
    ついでにいえば、〈施設〉の〈施〉は、「ほどこし」という意もあり、
     施設とは「ほどこしのために設ける建物」と、無意識の裡に思っているのではないか。

  ●いずれにしても、この高見に立った用語の使い方こそ、  
   横着千万の権力を維持するために霞ヶ関官僚が作った法の本質を物語って
   あまりあるものがあるとは言えないでしょうか。



  

       
 
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保安院の大罪(37)「組織」の人間疎外  文科系

2011年08月24日 12時11分28秒 | 国内政治・経済・社会問題
 
 昨日の36に二つのコメントがあって、お返事として書き始めたコメントを投稿に格上げすることにしました。政治大悪をここまで指摘してくると、大悪意を、それも犯罪者のようなそれを常に想定しているように思われがちです。今回の経産省事故処理のような大事には確かに大きな犯罪的なモノが多く潜んでいると思いますが、高級官僚一般を犯罪者のように語るつもりは、僕には全くありません。その訳と言っては何ですか、官僚制度のメカニズムのような視点を一度書いてみようと考えていましたので、そのことを。いままでここでよく組織の自己疎外、人間疎外と語ってきたことです。

【 お二人の御応答、ありがとうございました。
 只今さんのエールは心強いモノがありました。
 さて、「組織」には必ず「その習慣の自己目的化」という人間疎外側面がありますよね。心理学者ブントだったかが「目的変成の原理」を唱えたと記憶していますが、それと同じこと。ある組織の目的を忘れ、手段にしか過ぎぬ物がいつの間にか大目的そのもののようになっていく。組織の最上部以外は手段にしか関われず、目的・理念(の改変)、重要課題の再設定などを扱うのはほんの数人で、酷い組織なら一人だ。だから、余計そうなってしまう。歴史ある大組織ほど大課題が変わりにくいし、少数トップによる理念的大課題の私利的・恣意的解釈も起こりやすい。こうして、その全体方向がねじまがったり、構成員の発想そのものが時代変化に即応できないものになっていく。こんな厳しい時代の金儲け組織なら潰れるということだが、行政組織にはそれもないから難しい。これだけの国家赤字でも潰れないだけでなく、もっと税をくれなどと画策することすらできるのだ。
 組織の制度疲労とかトップの孤独とか語られてきたのは多分、そういうことだと思う。旧社会主義国腐朽や日本共産党の沈没なども多分、これが最大原因の一つ。


 日本の官僚たちも、自民党政権が崩壊した後には、自分らの習慣、目的理念をもう一度広く深く考え直してみなければいけなかったはずだ。それを「内閣とは各大臣の集まりのこと」「ウチの新大臣さえ説得すれば内閣を動かせる」とやってしまった。各省庁の習慣的目的、重要課題をほとんど正しいとしたうえでのことだったはず。厚労省のように過去の組織習慣に最も厳しい大臣を迎えた省庁では、大臣に対する組織的サボタージュまであったものだし。

 それで気づいてみれば、全省庁が一体的意識的談合を重ねたかのように、過去目的、習慣が新政権に対して一斉に押し出されただけという現実だ。経産省は原発村、財務省の消費税、対米従属が外務省と防衛省などなど。退職後も含めた官僚への評価が、こういう習慣への貢献度に結びついてきたから余計根深く、質が悪いものがある。これでは、政治主導などが進むどころか、起こりようもない。民主党マニュフェストも骨抜きになるはずである。官僚からすれば少しも悪びれず、こういう勝利宣言さえできるだろう。
「ちゃんと正式に民主的討論を重ねて、民主党マニュフェストが我々に負けたのだ」


 これが現実なのでしょうが、これだと日本全体の方向性から全てを考え直すのは、一体誰が行うのでしょうか。消費税にせよ、原発、対米関係と対アジア関係などなどどれ一つとっても、日本全体の方向性抜きには決まらない情勢、世界だと思います。特に世界的な株主資本主義隆盛、これに対する世界的規制との関係が大事なのであって、そういう世界的視野で理念から考え直してみなければならない時だと思います。世界第3位の経済大国というならば、こういう問題で国連イニシアティブを取り、世界のそこここに有効需要を創出していくぐらいの気概を見せて欲しいものです。国民多数が餓死しかけている国がどんどん増えている現実があるではありませんか。
 過去の自民党政権的習慣をいったんご破算にして、官僚習慣と民主党マニュフェストとの折衷努力のようなことは望めないものでしょうか。僕は後者のほうが理念的にはるかに正しいものだと考えてきました。】
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 保安院の大罪(36) 今時の総理候補  文科系

2011年08月23日 12時02分24秒 | 国内政治・経済・社会問題

 今時の総理候補らは、実に呆れた、馬鹿馬鹿しい輩。これは誰が見ても分かる、明白なことだろう。
 第1に、官僚全体がお墨付きを与えた奴らだということ。
 第2に、よって、福島原発問題では反国民的処理しかできず、「脱原発も遙か彼方」という輩だということ。つまり、海江田と同じく、経産省のお気に入りに違いない。
 第3に、同じく、このデフレの時代に消費税をアップして、景気を悪くする奴らだということ。つまり、財務省の権力を増やすことに邁進する、そのお気に入り。
 第4に、外務省・アメリカべったりでもあるはずだ。このことは、鳩山内閣の末路を見れば誰でも分かろうというものだろう。

 今朝の中日7面社説にこういうのがあった。『霞ヶ関改革はどうする』が大見出しで、題名が『増税 民主代表選』。この社説が実に、こんな結びになっているのだ。
『では、霞ヶ関改革をどう進めるのか。そこが聞きたい。民主党は「脱官僚・政治主導」を旗に掲げて政権を握ったが、いまや面影もない。日本経済の再建はもとより震災復興のためにも、霞ヶ関の縦割り行政打破が不可欠だ。本音の論戦を避けているようでは、次の政権も期待できない』
 僕も、『霞ヶ関改革をどう進めるのか。そこが聞きたい』。ところが、ここまでの内閣の崩壊に恐れをなして、民主党主流が官僚に下ったことは明らかなのである。アメリカに通じた外務省に反旗を翻されて、鳩山内閣が崩壊した。民主党マニュフェストを反故にして総理になった菅直人も、「脱原発依存」と叫んだとたんに、内閣の中で全く孤立してしまった。そして今の彼は、こんな本を読んでいるのだという。「反原発行動」の故に原発村の策動で無実の罪を着せられ、福島県知事を辞めさせられた佐藤栄佐久。その著作「知事抹殺」を。これには心からの共感を覚えるはずの菅直人さん、「脱原発依存」から今度はさらに改心して是非、「総理抹殺」でも物にして欲しいものだ。
 なお次ぎも、誰がなってもまたぶつ切れのツナギ。そう明言しておきたい。弱い2大政党を操って自分らのやり方を押し通すというのが官僚たちの狙いなのだから、当分政治主導になるはずなどないのである。その彼らはマスコミまでを従えているのだし。総理として少しでも主体性を見せれば、すぐに潰されてしまうはずだ。「消費税値上げ」を言質に総理になったが、「脱原発依存」を言いだしただけで閣僚からも袋だたきにあった菅直人を見れば分かることだ。

 さてこうして今の日本の諸悪すべて、他の誰よりも官僚に起因することは明らかである。官僚臭のあるモノは全て、現在日本の最悪物であろうと言いたい。今何よりも、この縦割り既得利権集団を正さなければ、国民のためになる何も進まない。これが僕の、現下最大の政治主張だ。
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ザックジャパン(4) 岡田ジャパンのここを直した(2) 文科系

2011年08月22日 05時10分40秒 | スポーツ

 この題名の2回目は、ザックジャパンの、ゲームにおける総合的変化を見ておきたい。昨年10月の名勝負、対アルゼンチン歴史的勝利の概観である。両監督や選手の戦評も細かく集めてみた。10月9日の、連載第12回分だ。以下の題名は、その後の結果を見ると半分当り半分外れというところか? 12月には世界29位に、そして今年2月には一挙に17位へと、駆け上っていったのである。

【 ザックジャパンは世界20位台前半に?
 あまりによいゲームをやったので、昨夜から興奮している。と言うよりも、昨日朝から気分が高ぶっていた。それくらいザックを買っていたからだ。彼は日本の監督として実によい人材だと考えていた。その理由は、ここに初めから書いてきたとおりである。特に、18日、その2を参照。
 さて、このゲームの総括は、極めて重要だ。先ずザック自身の講評
【「選手は指示したことを本当によくやってくれた」。4日の合宿初日には守備面で、「裏のスペースを気にするから寄せが甘い。1つに集中しろ。体を常に相手に向けろ」と猛烈指導。6日には攻撃面でも、「もっとシンプルに縦に攻めろ」などと具体的に戦術指導した。
 「選手のクオリティは本当に高い。自分で気づいていないだけ」。日本選手の技術を信じ、自身の味を加えることで、アルゼンチン相手でも対等に戦えると信じていた。】(MSNニュース)

 ゲーム中のザック自身は
【随所にしたたかな観察眼も光った。試合直前までミーティングを開き、徹底してアルゼンチンのビデオを見せた。守備をしないメッシ、テベスの裏に弱点を見つけ、攻撃の狙いを定めた。DF内田が「凄い分析だった」とうなる。試合中もMFダレッサンドロに守備難を見つけると「15番を狙え」と的確に指示。さらに長谷部、遠藤には「右サイドを使え」と伝えた。唯一のゴールはその右サイドから。もはや大金星は必然的だった。
ベースは堅守でW杯16強入りを果たしたチームと変わらない。だが90分間、センターラインの守備を固め、各選手ともポジションに戻ってからのプレスを徹底させた。その守備がアルゼンチンを苦しめた。「今回、私が以前から抱いていたものが確信に変わった。日本の選手はクオリティーがある。だが、まだ気付いていない選手も多い。まだまだ成長できるよ」。指揮官も自信を深めた 】(スポニチアネックス)

 対するアルゼンチン指揮官の講評は
【アルゼンチン代表のバティスタ暫定監督は「日本のプレスが良く、ミスが出た。疲れもありミスを突かれた」と敗北を認めた。(中略)
 「日本の成長は著しい。どこにもひけをとらない。衝撃だった」と話した。9月の親善試合でスペインを破り「1試合の勝敗で評価されるものではない」としたが、正監督昇格にはマイナス材料。MFマスケラーノ主将は「疲れはあったが、ひどい試合」とうなだれた。】(スポニチアネックス)

選手代表としてまず、頼れるキャプテン長谷部、次いで、内田の言葉をご紹介したい。いずれも、MSNニュースから取った。長谷部の言葉はキャプテンらしく実に総合的なものだし、内田の言葉がまた面白かった。岡崎と右サイド2人組でいかにメッシらを押さえたかを語っているからだ。2人とも実に頭がよい感じがする言葉だと思う。

長谷部 「最初で勝てたのはすごく嬉しいし、監督が5日間くらいで詰め込んでやった内容を少しはできたという手応えもある。アルゼンチンみたいにひとりの選手に頼るサッカーじゃなくて、全員攻撃、全員守備をやっているし、監督からも言われている。ディフェンスのやり方としては、なるべくサイドに出させて、そこから連動して守備をするというのを合宿で徹底してやっていた。それを多少は出せたと思う。試合前のミーティングでも合宿では色々詰め込んだけど、そればっかり考えずに今までやってきたことも出して欲しいと言っていた。守備に関してはみんな監督に言われたことを頭に入れてやっているとやってて感じたけど、攻撃の部分では自分たちのイメージを大事にしてやっていたと思う。内容もそんなに悪くなかったし、チャンスもどちらかと言えば多く作れたと思う。
 ただ、『アルゼンチンが本気でやっているのか?』と正直感じたし、まだまだ満足してはいけない。内容も良くて勝てて良かったけど、次の韓国戦の方が間違いなく厳しい戦いになると思うし、そっちで良いサッカーができて勝てれば、もっと自信を持っていいと思う。
(メッシと戦った感想は?)メッシはひとりじゃ止められないと改めて思ったし、ふたりでいってもなかなか止められないかなと感じたが、最後に体を張ってやればなんとかなったので、そういうのをやればやられないと感じた。
(ボールを奪ってからの攻撃も手数をかけずにやれていたが?)練習の時に『技術は高いし、つなぐのは世界でも一流だと思うけど、ゴールに向かう姿勢が少ない』と言われていたので、合宿を通してボールを取ったら前に速く出すというのをやっていた。それを意識してやったし、取ってからの形は何回かうまくいっていたと思う。手数をかけていたら、相手にブロックを作られてなかなか崩せない。良かったところもあったし、まだまだのところもあった。
(ミドルシュートがゴールにつながったが?)個人的にはまだまだシュートチャンスがあったと思う。シュートを撃って、こぼれたところで入ったし、何が起こるか分からないので、個人的にはもっとシュートをこれからも狙っていきたい」 】
 【 内田 「向こうは自由にやらせたら何でもできる選手が揃っている。ある程度はやられても最後に足が出たり、体を張ったりできていた。人が多くないと、スペースをコンパクトにはできない。向こうの攻め方も中央、中央という感じだったので、うまくはまったんじゃないかな。テベスが中にポジションを取って、左サイドが上がってきたので、オカちゃん(岡崎)をこき使って守った。こっちはテベスを見ないと、中が数的不利になるからね。オカちゃんは低い位置まで戻って大変だったと思うけど、オカちゃんならいいかなと(笑)。メッシが持ったら、同じ土俵に立つなと言われていた。遅らせてふたりで行けと。ハーフタイムの指示もこのままのペースだと疲れるから、落とすところは落とせと言われていた。
(ザッケローニ監督の守備のやり方に戸惑いは?)やり方は簡単。そんなに難しいものじゃない」 】

 要はこういうことだろう。
①ここ2~3年の日本選手、ポテンシャルは急に高まっているが、次の二つを詰め込まれて、チーム力が飛躍した。
②敵ボールへの正対とプレスという、守備の改変。この守備は、ここで何度も述べたように、モウリーニョ・インテルを研究した最新式のものではないか。組織的位置取り・構えと、プレス選手の出て行き方がそっくりなのだ。
③攻撃はとにかく、縦に行くこと。横パスばかりという見慣れた光景がほとんどなかったのである。
 さて、こんなゲームをやっても、ザックはこう予告して見せた。
【今日の試合は仕事のほんの一部。狙っているところは別にある】 

 12日の韓国戦は、こうはいかないと思う。韓国も今や世界30位を割る実力と思うし、日本には全力で来るチームだからだ。
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こんな重要な事実がこっそり訂正されていた!   あんころもち

2011年08月21日 13時41分18秒 | Weblog
《公表され続けている事実》

 福島第1原発から放射性物質が放出されて続けている問題で、一貫して「安全・安心説」を唱えて福島県かを重介して歩いているのが、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一・長崎大学教授です。
 1年間に許容される被曝量として「20ミリシーベルト」という数字が議論になるなか、山下氏は「100ミリシーベルト以下なら大丈夫」、「100ミリシーベルトまでは、妊婦も含めて安全」との説を繰り返してきました。
 これに対し、心ある学者から、福島県のアドヴァイザーから解任すべきだとの要求が出ていました。


《こっそり訂正されていた事実》 中村隆市ブログ「風の便り」8月16日

 3月21日の山下俊一教授の発言を確認しようと思い、福島県のホームページを見て驚きました。

 福島県放射線健康リスク管理アドバイザーによる講演会
 「質疑応答 動画を見る」の下に以下のように書いてあったのです。
  ――――――――――――――――――――――――――――
訂正:質疑応答の「100マイクロシーベルト/hを超さなければ健康に影響を及ぼさない」旨の発言は、「10マイクロシーベルト/hを超さなければ」の誤りであり、訂正し、お詫びを申し上げます。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません。
  ―――――――――――――――――――――――――――–
 いつのまにか、山下発言が「10分の1の数字に」訂正されているのです。
 しかし、動画の質疑応答では、山下教授は自信満々で「100マイクロシーベルト/hを超さなければ、まったく健康に影響を及ぼしません」と太鼓判を押しています。

 Q:今の放射能測定値で外出しても問題はないのか?

 山下:環境の汚染の濃度、マイクロシーベルトが、100マイクロシーベルト/hを超さなければ、まったく健康に影響を及ぼしません。ですから、5とか10とか20とかいうレベルで、外へ出ていいかどうかということは明確です。昨日も、いわき市で答えました。『今、いわき市で、外で遊んでいいですか?』と聞かれました。『どんどん遊んでいい』と答えました。福島も同じです。心配することはありません。


 100ミリを10ミリと言い間違えたのなら、「5とか10とか20とかいうレベル」という言い方はしないはずです
 福島県民の中には、山下教授の話を聞いて、100マイクロシーベルト/hまで安全、一度に100ミリシーベルト浴びなければ大丈夫だと信じて、放射線量が高いときにマスクもさせずに子どもたちを外で遊ばせてきた親がたくさんいます。ふとんも洗濯物も外に干してかまわない、雨に多少ぬれても問題ない、といった山下発言を信じてきた人がたくさんいます。

 そして今、福島県の子どもたち100人以上を検査して、約半数が内部被曝し、文科省が決めた年間20 ミリシーベルトという上限を(内部被曝だけで)超えた35ミリシーベルトも被曝した子どもがいることが判明しました。福島県全体の中でも特別に汚染数値が高いと思えない、いわき市の4歳の子どもだそうです。

 専門家が、いのちに関わる重要な数字を10倍も間違えて 「100マイクロシーベルト/hを超さなければ健康に影響を及ぼさない」旨の発言は、「10マイクロシーベルト/hを超さなければ」の誤りであり、訂正し、お詫びを申し上げます」と、お詫びすれば済ませられる問題でしょうか。

 <あんころもちの意見>
 なんという酷い事実でしょう。山下という教授の御用学者ぶりはつとに指摘されて来ましたが、上の事態の問題は、そうしたデマゴギーが語られる際には大声を上げて喧伝されるにもかかわらず、訂正される場合にはこっそりとしか(山下教授の体面のためか)行われないということです。
 このとんでもない誤りは、福島県のホームページをみない人には伝わりません。
 ですからこの瞬間にも、山下教授の講演を信じて(なにせ山下教授自身が被爆二世でしかも長崎大学の教授だから嘘はつくまいと信じて)、子どもたちを無防備で放射能が降り注ぐなかで遊ばせている母親もいるやも知れません。
 全国のメディアが、はっきりと伝えるべきですし、山下教授も福島県に訂正させるのではなく、自分自身でちゃんと自己批判をした上でその誤りを公表すべきです。



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ザックジャパン(3) 岡田ジャパンのここを直した(1)  文科系

2011年08月21日 11時10分26秒 | スポーツ

 ザックになって10日の日韓戦大勝で、7勝4分の無敗である。この間の得失点は18の6であって、その相手も、アルゼンチンにオーストラリア、韓国が3回など、これまでだったら勝つことが難しい難敵が含まれている。僕は昨年の9月からこの2月まで「『日本サッカー・希望の星』と、ザック監督など」を44回も書き続けてきた。改めてここまでの経過を要約的にまとめ、ワールドカップ予選記事への出発としたい。

 アジア大会までのザックは、岡田監督の功績を踏襲している。岡田監督の功績とは言うまでもない。第1に、当り強さを身につけさせたこと。および、走力を重視したパスサッカーである。アジア大会までのザックはこれに二つの修正を施していた。一つが、ゴール近くで横パスを減らし、縦パスを増やすことによって、攻めの遅さを修正したこと。第2が、敵ボールを前から厳しくサイドに追い込んで、極力サイドチェンジをさせないというコンパクトな全員守備。先ず、この後者について、前44回連載のその9、昨年10月9日の記事をお読み下さい。

【  ザックはまず守備から入った
① 4日最初の守備練習において「Jリーグのだれも経験したことがないはず」の驚天動地があったらしい。先ず、これについて質問しますので、分かる人がいたら是非応えて欲しいです。
 敵が、味方ゴールのサイドに攻め込んできた時に、こういう指導があったそうです。サイドバックとセンターバック2人一組で詰めさせた上で、その際こういう注意があったのです。「ボールだけに正対せよ。よって、後ろなど振り返る必要はなし。この場合の後ろは、他人の仕事だ」と。槇野もびっくりし、栗原辺りは抵抗感さえ覚えるような指導みたいらしく、異口同音にこんな声を上げていたとのこと。
「後ろに敵の誰かが走り込んでも、見るなと言うことらしいが、そう言われてもねー? 日本でこんな指導はどこにもないはず」
 ザックは、完全なゾーンディフェンスでやるようであって、その指導中の出来事なのですが、イタリアのゾーンディフェンスではいつもこうなのか? としたら日本では今までに何故こういう指導が皆無だったのか? 日本で皆無だとしたら、世界的にも珍しいことなのか?

 以上のことの詳細を、抜粋します。ザックが初めて手を付けたのが、守備指導。その最大特徴を表現すればこんな指示ということなのでした。ニッカンスポーツサイトから取りました。
【ザッケローニ監督が伝授した「カテナチオの極意」を、DF陣は一様に、驚きと戸惑いを感じながら受け止めた。槙野は「今までにない守り方。新しい先生に授業を受けている感じがした。これがカテナチオ(イタリア流の堅守)なのかな」と新鮮さを感じる一方で「今までと違うからいつも以上に頭を使う」と懸命に考えながら説明を聞いたという。
 センターバックでレギュラーを狙う栗原も戸惑っていた。「ちょっと怖いと感じた」。自分がマークすべき向きの反対側(背中側)から進んできた相手については「責任を持たなくていい」とはっきり言われた。「両方見ながら守ることを意識してきたので、驚いた」という。責任の所在を明確にする意味で「そこははっきりしていると思う」と受け止めた。この日はボールを動かさないで指導を受けたため「実感はまだないが、そこまで言うならやってみようと思う」と腹をくくった。
 伊野波も「怖さ」を感じていた。「もし抜かれたらと考えると少し怖い」。ベテランの駒野も「今までとまるで違う」と刺激を受けつつ、考え込むような表情を見せた。
 この日、ザッケローニ監督が説いた「極意」はほんの序章。伝えた方法で相手に逆を取られた場合の対処などについてこの日は触れなかった。栗原は「それは今後、徐々に触れていくという様子だった」という。ザッケローニ監督が戦術を磨いたイタリアでプレーする長友も「怖い」と感じ、「戸惑いもあるし、体の向きとか細かいところが難しい」としたが、最終的には「これをモノにできれば大きな武器となる」と前向きにとらえていた。】
このようにDFたちが皆、「全く斬新な指示だ」と評しているらしい。これは、ちょっとないような面白い事実ですね。イタリアも日本も、同じサッカーのはずなのに。

② なお、守備全般の指示は、こういうものだったそうです。同じくニッカンスポーツ・サイトから取りました。
【 ザッケローニ監督──私がやろうとする情報は、いくつか(選手に)伝えました。期待が高いことは知っている。世界と渡り合うため、早くというよりは、きちんと(日本が)成長していくことを目的としたい。
 カテナチオの国から来た指揮官の「守備」は、実に緻密(ちみつ)だ。基本は4バックのゾーンディフェンス。大前提として中央からの攻撃を寸断し、相手をサイドに追いやるため、4つの約束事を徹底させた。
 (1)2人1組のペアで守れ!
 ボール保持者を囲い込むようにして、常に2対1の数的優位の状況で守る。
 (2)サイドバック(SB)は内側を見ろ!
 センターバック(CB)とペアを組むSBは、外側(タッチライン際)でなく中央を向いて守る。
 (3)自分のユニット(ペア)に集中するため、逆サイドはノーケアでいい!
 この日の練習にはなかったが、逆サイドへの侵入者に対しては中盤も含めた連動性で守る。
 (4)相手と常に1メートルの距離を保て!
 相手にミスが出た場合を除いては、常に間合いを取って守る。】

③ 最後に、ここまでの彼の言葉をいろいろ読んでいて、僕が一番気に入ったものをご紹介します。
『早く成長するより、きちんと成長したいんだ』
 これって、およそ何事においても、優秀になるということの極意の一つですよね 】
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福島の農民からの訴え     あんころもち

2011年08月20日 02時57分25秒 | Weblog
 お米のセシウム汚染が問題となっているなか、福島の農民の切実なブログを見つけました。
 私たち米食う民は、この現状にどう答えることができるのでしょう。
 さきごろ久々に開かれた米相場では、高値で当初は相場が成り立たないほどでした。
 ということは、農家ではない米の消費者にも、今秋以降米の高値が襲いかかる可能性があるということです。
 まずは、この農家の訴えをお聞き下さい。

<タイトル>風評被害ではない実害である
     http://gimin.exblog.jp/15225465/

農家の動揺が収まらない。
私たちは、原発事故の「被災者」のはずだ。
しかし、放射能汚染の土壌調査結果が発表され
前のめりとも言える状況が広がり、
農協が農作業の自粛を解除した。

しっかりとした調査と分析、その後の対処も曖昧のまま
作るか、作らないかの判断が農家に任せられてしまった。

しかし、まだ原発事故は収束の見通しもたっていない。
放射性物質の飛散は止まっていない。
土壌の汚染は続く。
作物の汚染も続く。
政府がいう「直ちに体に影響を与えるものではない」という
暫定値だけが一人歩きする。

私たちは、安全が「担保」されていないものを
作っていいのだろうか。
消費者の過剰な反応を「風評被害」だという。
いま現実に起こっていることは
根も葉もない風評ではない。
東電が起こした原発事故による放射能が
大地と作物を汚染している実害だ。

心ある方々から
「福島の産品」を買い支えたいという申し出が来る。
こういう方々に
私はこう応えている。
「お気持ちはうれしい。
でも、みなさんにお願いしたいのは
東電にキチンと補償せよという世論を消費地で起こしてほしい。
私たちが安心して作物を作れるようになるまで
運動を継続してほしい」と。
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北海道で1番ガン死亡率が高いのは      只今

2011年08月19日 18時41分00秒 | Weblog
  8月18日の文化放送で、吉田照美が中原中也賞受賞のアーサー・ビナードと対談。
  その内容を大掴みに紹介します。

  ●北海道180市町村のガン死亡率(3ヵ年)の一覧表を見ると
   1番多いのは「泊村」で10万人中、2450人。
   1番少ないのは、「千歳市」で600人。

  ●泊原発着工の1984年から昨年度までに、泊村に降りた交付金等は約580億円(朝日新聞)。
   別に959億円という説もある。

  ●東京新聞(8月17日付)が、「交付金で原発をより後押しする規定改正をしていた」と暴露。
   しましたが、これがなんと、「レベル7」に上げた翌日の4月13日のこと。
   事故対応に追われてバタバタしていたと思ったら、そうじゃない。パニックを装いながら原発交付金のシステムをこっそり変え
   ていたのです。
   記者クラブ発表をすることもなく、闇に紛れて同日の官報に告知したのは、
   海江田経産大臣と高木文科大臣。
   高橋北海道知事と電力会社との関係はつとに明らかにされていますが、この二人も原子力村とは深い関係が……。 
   
  
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子供に答えられない政治? マイクの回し合い    あんころもち

2011年08月19日 03時15分59秒 | Weblog
 なんにもいいません。ただ貼り付けるのみです。
 内容についてはみなさんでご判断下さい。
 8月17日に行われた「政府関係者」と「福島の子どもたち」の対話(?)をレポートした記事です。

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 「皆と疎開させて下さい」「将来ガンになると困っちゃう」……被曝した福島の子供たちが17日、国会内で政府の役人と交渉し現状の改善を求めた。(主催:子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)

 原発事故の一番の犠牲者である子供たちの声をじかに役人に聞いてもらうのが、この日の交渉の狙いだ。福島の子供たち4人(小学校3年生~中学校2年生)が、政府の役人10人(内閣府、経産省原子力安全保安院、文科省)と渡り合った。会場の衆院議員会館には首都圏などから500人が詰めかけ熱心に耳を傾けた。

 子供たちは自宅で書いてきた手紙を読み上げながら、次のように切り込んだ――

 「私たちは原発事故以来、外遊びをしていません。友達は家を追われました。責任を取って下さい」。(小林茉莉子さん・小5)

 「大人が勝手に作った原発でなぜ福島の子供たちが被曝しなければならないのですか? 私は6月に転校してとても悲しい思いをしました。私の前にも後にも友達が転校して行きました。皆バラバラになって行くのは耐え難く悲しいことです…(中略)…私たちが学校の友達と安全に避難できるように考えて下さい」。(橋本伽耶さん・中2)

 役人たちは次のように答えた――


 「除染して早く帰れるよう努めてまいりたい」(内閣府)。 
 「安全の確保に努めている所です」(原子力安全保安院)。
 「関係各省庁と連携を取ってやってゆきたいと思います」(文科省)。

 筆者は耳を疑った。政治家を相手に話しているつもりだろうか。官僚答弁に場内から失笑が漏れた。

 「集団疎開をどうして実現して頂けるのか、子供たちは質問しているのですが」。余りにも的はずれな回答に、司会者が軌道修正を求めた。

 すると役人たちはマイクを回し合って、答えるのを避けようとした。一巡したところで観念したのか、文科省のイシダ氏が“答弁”した――

 「友達と一緒に学校に行きたいと受け止めました。原子力発電所が安定し、学校がきれいになれば、みんな安心して学校に行けます」。

 『子供だまし』という言葉があるが、こんな回答には子供も騙されない。中学2年生の橋本伽耶さんが切り返した――

 「学校がきれいになっても町がきれいになっても安心できないから、こうやって手紙を書いてきたんです。よく考えてお話しして頂きたいです」。


 役人たちは、当たり障りのないように切り抜けることだけを考えていたようだ。そのうえで政府の考えを植え付ければ御の字と思っていたのだろうか。ひどいのは内閣府のキンジョー氏の回答だった―

 「地元と話しあって避難区域の解除に努めてまいりたい」。

 場内から激しいブーイングが起きた。子供たちの要望とは逆の答えである。小学校5年生の小林茉莉子さんが「集団疎開のことを聞いているんですけど、まだ答えて頂けていません」。

 役人たちは沈黙するしかなかった。

 40分余りにわたる子供たちと役人の交渉はこんな調子に終始した。感想を子供たちに聞いた―

 「将来ガンにならないために疎開しないといけないんだけど、あのオジサンたちは真剣に聞いてない感じがした」(小林茉莉子さん・小5)

 「大人なのになんで子供の質問を聞いていないのか?」(宗像留椰君・小5)

 「集団疎開が決まっていないなら『決まっていない』と答えてくれればいいのに。質問をはぐらかされてガックリ」(橋本伽耶さん・中2)

 「きれいな空気が吸いたい」「友達と離れるのがイヤです」……友達40人のメッセージを携えて張り切っていた子供たちの期待は完全に裏切られた。被曝し、クラスメートとも離れ離れになり心身ともに傷ついている子供たちを、政府の役人がさらに傷つけた。
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保安院の大罪(35) 「良い文章!」、紹介   文科系

2011年08月17日 10時26分28秒 | Weblog
 阿修羅掲示板に、しんみりした良い文章があったので紹介します。このブログでまもるさんだったかがいつか紹介した渡辺白泉の名句もぴたりと嵌って、良い彩りを添えています。論文、まして演説よりもはるかに説得力、アピール力があると思ったものでした。
 「脱原発依存」を「個人」表明した菅直人の引きずり下ろしにもどうやら成功したようだし、こうなってくると原発村はもう、金やマスコミ総動員で培ってきた権力の上に乗っかった大暴力としか思えません。「原子力村=権力者の暴力」、こういう世論作りにこれからも努めていきたいもの。

【 廊下の奥(北海道新聞 卓上四季)
投稿者 BRIAN ENO 日時 2011 年 8 月 17 日 09:55:33

先週末の本紙「読者の声」欄に、娘さんたちと福島県から後志管内倶知安町に避難しているお母さんの投書が載った▼「子供の内部被ばくを少しでも減らしたい」との思いから被災者支援団体を頼って滞在しているという。「窓を開けるのも、洗濯物を干すのも、外を歩くのも、何の心配もせずにできる。ただそれだけで気持ちが楽になるのです」と書いていた▼町の人が温かく接してくれて、「すてきな思い出をたくさんつくることができた」そう。-それは本当によかった。読んでいてうれしくなった。この夏、道内には投書のお母さんと同じ思いの人たちがたくさんおられよう▼とても皮肉なことだが、原発災害は幸せな暮らしを下支えする<かけがえのないもの>とは何かをあらためて教えている。北海道には、いまそれがある。被災地から避難してきた人たちと分かち合うこともできる。だが、もし泊原発から放射能が飛散したら…。失うものはあまりに大きい▼原発を「保安」できなかった保安院や「安全」を守れなかった原子力安全委が営業運転再開にお墨付きを与えたからといって、誰が安心できるというのか▼<戦争が廊下の奥に立つてゐた>。戦前、無季の反戦句を残した渡辺白泉は迫り来る危機をそう詠んだ。私たちの<廊下の奥>から原発が立ち去らない限り、暮らしが根こそぎ奪われる不安は消えない。2011・8・17 】

 さて、上の文章の背景となる出来事の記事も、阿修羅掲示板にありましたので、これも追加します。

【 恐るべし、原発ムラの巻き返し――泊原発の営業運転開始
2011-08-17 05:22:48  生き生き箕面通信983 

 おはようございます。民主党の代表選で取りざたされる候補者はいずれも「脱原発」を明確にしてはいません。国のエネルギー政策の根幹についても、あいまいなまま首相になろうという輩(やから)ばかりです。
 生き生き箕面通信983(110817)をお届けします。

・恐るべし、原発ムラの巻き返し――泊原発の営業運転開始

 北海道の高橋はるみ知事は本日8月17日、北海道電力泊原発3号機の営業運転開始を容認する方針を正式に表明します。定期検査中の原発が営業運転を再開するのは全国で初めて。電力業界にしてみれば、「してやったり。ついに突破口は開かれた」と”祝杯”ものです。
 世界をみると、ドイツが「脱原発」を国の方針とすることを世界に明らかにし、イタリアでも国民投票の結果、圧倒的多数で「原発ノー」を打ち出しました。
 ところが、原発事故を起こした日本では、まだ福島原発の事故原因をきちんと検証する作業を終えないうちに、しかも菅首相が打ち出した原発のストレステストも終えていない段階で、原発立地の地元が原発運転を認めるというのです。なぜ、そんなに急ぐのでしょうか。
 北海道大学大学院の教授ら50人が、「無条件での営業運転開始は容認できない」と緊急声明を出した直後ですが、それもあっさり無視しての「原発ゴー」です。そのかげには、北海道電力の高橋知事への強烈な働き掛けがあったことが容易に推測できます。

 北電は知事に対し、「容認していただければ次の選挙でも協力させていただきます」という”魚心あれば水心”のあうんの空気を感じさせたもののようです。北電の北海道経済に対する影響力は絶大です。北電を敵に回して、北海道の知事は務まらないほどの影響力があるということです。

 今朝の新聞報道によると、枝野官房長官が菅首相を説得し、営業運転を再開させるように動いたそうです。電力業界はあげて官邸にも影響力を行使し、とくに枝野官房長官を狙って抱き込みました。「脱原発」の菅首相を説得できるのは、枝野氏しかおらず、枝野氏もいずれかの時期には総裁選に打って出る下心がありますから、いまから日本最大のロビー団体と手を結ぶことにしたといえます。

 次は九州電力の玄海原発の運転再開であり、関西電力の大飯原発の運転開始です。原発ムラの巻き返しは着々と橋頭保を築きつつあります。】

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竹島問題を政治的に利用するのは危険   らくせき

2011年08月15日 20時59分37秒 | Weblog
最近、韓国では竹島問題が大きく報道されています。
日本でも自民党の国会議員が、党首脳部の反対を押し切って
竹島を訪問しようとして入国を拒否されました。
韓国のジャーナリズムで、この問題での冷静な対応を
呼びかけているのが中央日報です。
その社説を紹介します。

       

ハンナラ党代表が昨日、いきなり「独島派兵論」を持ち出した。
海洋警察所属警備隊では限界があるため
海兵隊を駐留させようということだ。
洪代表は「すでに政府とも協議を終えた」と述べ、
この主張には深刻な論理的盲点があるという点で懸念される。

独島は大韓民国の領土であり、領有権紛争地域ではないというのが
韓国政府の公式立場だ。
それなら軍人ではなく警察が治安を担当するのが論理的に正しい。
それを、突然、海兵隊を送って独島を守るというのは、
独島が紛争地域に変わったことを自ら認めることだ。
政治的な効果はあるだろうが、国際法的には明白な損害だ。
独島の紛争地域化を狙う日本が望む悪手の中の悪手だ。
こういうことを狙って日本は挑発を続けているのだ。

政界の独島ポピュリズムがますます深刻になっている。
最近は与野党が競い合いながら独島訪問に乗り出している。
独島に対する国民感情に便乗することを
安全で確実な得票手段と考えているからだろう。
政府までが政界に振り回されながら、
独島ポピュリズムに調子を合わせているため、さらに心配になる。
政府の落ちた支持度を挽回できると考えているのなら、それは錯覚だ。
国民はそんなに単純ではない。
いま私たちに必要なのは、独島が韓国の領土という実体的証拠と
客観的論理を、静かながらも根気強く蓄積して開発することだ。
独島は政界の得票用材料ではない。

       

北方領土問題を、日本人は比較的、冷静に眺めているように感じられます。
しかし韓国や中国は、日本とは違った状況にあるようです。
いま、愛国心を燃え上がらせることが 100%善であるという
怖ーーい空気があるようで、そこを政治家が利用しようとしている。
ちょっと心配です・・・

こうした空気は、韓国のなかで、震災に対してあんなに援助したのにナンダ、
という気持ちを引き起こしているようです。
私は、震災への援助は、心から感謝しています。
しかし竹島問題は、別で、それはそれで話し合う問題だと考えています。
多分、多くの日本人も同じ考えでしょう。
いまはことを大きくしない。それが大人の態度でしょう。
まして韓国の政治状況に便乗したような政治的なパフォーマンスは
慎む時期だと思いますが・・・



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同じとみても、違うとみても……    只今

2011年08月15日 14時44分06秒 | Weblog
 
 =核の「軍事利用」で放射線被害にあったヒロシマ、ナガサキと、
  核の「商業利用」で同じく放射線被害者をだしたフクシマを結んで “核と人類は共存できない” ことを訴えます=
  というのが、今年の「原水(禁)大会」声明。

  今から33年前の1978年、小出祐章さんが師と仰いだ故水戸巌(東大原子炉~芝浦工大)氏は、こう訴えました。
 =現在、日本で稼働中のすべての発電炉は、ヒロシマ原爆の材料となったウラン235の分裂連鎖反応を用いており、ヒロシマに
  降り注いだと同じ死の灰を毎日作り出している。
  現代を「原子力時代」と呼ぶのは、間違っている。原発再処理工場の恐るべき汚染、手のつけようのない高放射能廃棄物の放
  置。武谷三男先生が言われる「原水爆時代」なのです。
  この原発問題を棚上げにして、原水爆禁止を語ることは、原水爆禁止運動を〈夏祭り〉におとしこめることであり、今こそ「原水
  爆禁止」と「原子力開発阻止」を固く結びつけなければなりません=
    しかしこの訴えは、原水協は勿論、原水禁内部でも確かな形では受け止められませんでした。

  核兵器と原発は、共に核分裂に伴うエネルギー、人間が制禦することが出来なくなった同じものと見る見方は、
  新しいものではなく、遠くは故加藤周一氏、ビキニ水爆の被爆者大石さんが訴えていました。
  そしてこれに反対する表明も、遠い日から今年の広島市長のコメントにみられるようなものでした。
 =「核兵器廃絶」と方向が違う「脱原発」が注目されるのは、如何なものか=
  まさに、元資源エネルギー庁原子力産業課課長補佐の面目躍如たるものがあります。

  しかし、原爆と原発の最大の違い、それは原爆が核エネルギーを効率的に爆発させようとするのに対して、原発は制御しながら少しずつ崩壊させるそこが違うとする見方があります。

 =原爆で拡散する放射性物質は〈燃え損ないのカス〉または、〈爆発時の放射線照射を帯びてしまった周辺物質〉であって、使われた核物質の本体ではありません。
  それに対して原発で使われるのは、ナマの放射性物質ですから、使用済になった後でもイキのいい放射能を保っています。使用中の若い燃料であれば、なおさらです。さらに最近では猛毒のプルトニュウムが含まれていますから、万一にも外部に拡散したら、放射能の害は、原爆の比ではありません。
 それが分っているから、原子炉は五重の安全対策で守られてきたのでしょう。しかしその安全神話が崩れたのです=

    以上、「原発は原爆よりも恐ろしい」と吐露されるのは、元NHKディレクター志村建世さん。             
        毎土曜日、新宿で「九条守れ」のスタンディングを続けておられる方です。

 




 

  
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科学という「物語」と「神話」     あんころもち

2011年08月15日 01時09分46秒 | Weblog
 これは前項の只今さんの文章にお付けになった文科系さんへの反論です。
 その場でもすでに書きましたが、私たちがこうした問題に向きあってゆくための基本的な問題を含んでいると思いますので敢えて新しいトピを立てさせて頂きます。

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 原爆と原発はやはり同じテクノロジーです。
 前者は核反応を瞬時に引き起こす、後者はそれを徐々に引き起こすということです。そしてそれは、技術としては前者のほうがはるかに安易で、広島・長崎で実験され、さらにその数十倍の威力のあるものまで実験されました。

 しかし、後者の徐々に燃やすという技術はいまだに確立していません。発火させることができても消すことが出来ず、その廃棄物も処理できません。
 それがスリーマイルでありチェルノブイリでありフクシマで実証された事実です。

 文科系さんの上の文章(注:只今さんのトピへのコメント)では、なにか情緒的で反科学的な言い分は反動的でいけないのだというように読めますが、それはまったく違います。
 科学というのも現象を記述するひとつの「物語」にすぎないのです。ですから、反科学的といわれようが情緒的といわれようが、そこに悲惨や残酷があった場合、それに対して断固として「反動的」になることこそが人の道なのです。

 それから補足ですが、おっしゃっているように原発反対はそんなに少数派ではありませんでしたよ。
 この間の情報が明らかにしてきたように、電力資本と官僚、地方自治体長などが有り余る電力資金をもとに、あらゆる公聴会、アセスメントを牛耳り、原発賛成が多数派であるように装ってきたのが事実なのです。

 再度繰り返しますが、人間が被る悲惨や残虐の前に「科学的」であるかどうかなどはまったく無縁です。逆に、これまでどれだけ「科学的」という名のもとに人が殺されて来たかをご存知でしょうか。

 私は情緒的といわれようが反動的といわれようが、人類が悲惨や残酷に陥らないほうに与します。
 文科系さんに「科学」という「神話」、「進歩と反動」という「神話」から脱却されることをお勧めいたします。
 これは以前、文科系さんがおっしゃっていた、いかにしてスターリニズムから脱却したかにも関連します。
 はっきりいってその総括(過去ログへさかのぼって拝読しました)は不十分だったということです。
 



 
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寺島実郎と吉本隆明と加藤典洋。    只今

2011年08月14日 13時39分47秒 | Weblog
 寺島実郎氏は、「中立」を演出することに長けていると言われることもありましたが、私は「中庸」の意見として参考にすることしばしばでした。
 3、11以降も、彼は「私は推進論者ではない。ベストミックスを志向しているのです」(『東洋経済』)と中立を表明してきましたが、浜岡原発停止の事態が起こるや、一転「浜岡の停止で拍手を送るなんてトンデモナイことです」(サンデーモーニング)と中立の装いをかなぐり捨て、8月14日の同番組でも「〈脱原発〉を口にすることが、あたかもポジティブであるかのような風潮は悲しむべきこと」と発言し、同席者一同を白けさせました。
 
 寺島氏の原発問題に対する表向きの立ち位置は、村上春樹に対する反論によく表れています。(報道ステーション)
 「私たちは、効率とか便宜とかに惑わされずに、被爆国としてノーを叫び続けるべきだった」【村上】
 「いや、核兵器を持たずに平和利用に徹して日本こそ、世界の原発の管理者にならなければならないのです」【寺島】)
  この寺島発言に司会の古館は、「これは命をとるか、金をとるかの問題だと思います」と一蹴しましたが、寺島は何故これほどまでに原発の擁護をしなければならないのでしょうか。
 
 彼はエネルギー庁の原子力委員として〈原子力立国計画〉を策定、鳩山政権では有力ブレーンとして原発の増基を強力に進めようとしましたが、鳩山退陣を受けて「管追い落とし」の一翼を担うようになりました。

 寺島実郎氏が「バランスのよい知的リーダー」(『時代の深層テイリュウ読む』東洋経済社)と評価しているのが、吉本隆明氏。
 
 「核爆弾と原子力発電の問題は捉えるべき視点は違う、と吉本さんは言われてきましたが、福島原発はこのことにやや微妙な翳を落とした気もしますが、いかがでしょうか」という問いに、吉本隆明は「都市を中心として人間の住まい方の様相が転換期を迎えていると思います」と直接に答えることはなかった。

 「原発については、僕は吉本隆明さんの考えに説得されてきた人間です」と、次のように語ったのは加藤典洋氏。
 「情緒的な反科学は反動ですから、情緒的な反原発には反対、という立場を持してきました。しかしいろんな反原発の言説ががある、そこの違いに耳を傾けなかった。(中略)そこでいろいろなものをチェックし続けた上で吉本さんの命題を受け取るべきだったところ、それを怠ってきた。何もしなかった。何ということをしてしまったか、させてしまったか。強い自責の念に襲われました。
 以上は、『思想としての3、11』河出書房新社 
 
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