随筆紹介 農畜産物が外国産ばかり K.Yさんの作品です
野菜作りをやり始め、農協やコーナンで買った野菜の種はすべて外国産と知って、驚いた。ブロッコリー(韓国)、カリフラワー(チリ)、ほうれん草(デンマーク)、黒田五寸人参(南アフリカ)、秋どり胡瓜(中国)、スナックえんどう(アメリカ)、宮重大根(アメリカ)、耐病総太り大根(オーストラリア)、貝塚黄玉葱(イタリア)、赤玉葱(南アフリカ)とある。
なぜ外国産なのかを調べてみた。第一は品質であり、第二は価格だった。日本のような狭い畑では、隣から別の種類の花粉が入り込むが、海外の広大な畑だと、目的の種となる。さらに日本のような高温多湿では、野菜が病気にかかりやすい。乾燥した海外に、種苗会社は種を運び、育ててもらい、日本に戻すのである。日本で育てるなら温室となるが、価格が合わない。
こんな海外一辺倒から、さらに驚愕は物価の優等生だった卵のこと。私はてっきり純粋な国産と誤解していた。日本人が食用にする卵を生む鶏、食肉用の鶏のほとんどが日本生まれである。だから自給率はものすごく高く見える。しかし、この鶏たちを生む親鳥や祖父母鳥は海外からヒヨコで九六%も輸入している。卵用はハンガリー、フランス、カナダ、アメリカから。肉用はイギリス、アメリカ、フランス、ニュージーランドから。
昨年以降、鳥インフルエンザ、トウモロコシなどの原料価格の高騰で、卵の価格は急上昇した。さらに、将来海外の気候、戦争、病気、原油高騰によってヒヨコの輸入が中断すると、卵や鶏肉、関連する食品が壊滅的打撃を受ける。
気づいてみたら、極端に食糧リスクの高い日本になっている。自立できない食糧虚弱体質日本である。