オーストラリア戦勝利は、今ならまー当たり前。と言っても、このオージー・チームは順位の割に強かった。元々オージーとはこれで8勝8分7敗とやっと勝ち越したに過ぎないし、来1月アジアカップ主催地のためとても気が入っていた上に、長谷部がこう語っていたほど日本スカウトも入念にやってきたようだ。
『研究されて攻撃が組み立てられなかった』
こうして、92位などという世界順位は全く当てにならない。日本以上にアジアで孤立していて、強いチームと日頃やれない強豪だからである。
さて、オーストラリア相手にアギーレが言う「ティキ・タカ」(この語はスペインはバルセロナのショートパス攻撃の意味。そのリズム表現から由来したもの)の日本チームが、47対53とボールキープで負けるなどと、誰が想像したろうか。それほどに、相手はよく走り、日本のパスを寸断していた。前半は多分、オージーの方がシュート数が多かったろう。
そこでアギーレが動いた。後半1分に遠藤を今野に替えた。前半36分に4231で長谷部、遠藤のダブルボランチにしていたのだが、後半にはその一人を入れ替えたのである。これでもってゲーム総シュート数が13対7と逆転したのだが、見事な采配と言うべきだろう。もっとも、アギーレは前からこう語っていたのだが。守備時は433だが、攻撃時には4231にすることもあると。ただ、その形に替えるに際して、2ボランチの一角遠藤をいち早く下げて今野を入れたというのがザックと違う特徴だろう。今野の得意技は1対1に強い言わばマムシ。確か札幌にいた若い頃ここの監督を務めた岡ちゃんがこの才能を認めて「どんどんそこを伸ばせ」とアドバイスしたボール奪取の名手と聞いている。この交代こそ、アギーレがこの代表に臨んでは、あくまでも守備重視戦略姿勢を示しているということだろう。
ただし、このことは急いで付け加えておきたい。36分までの「433、長谷部1ボランチ」の時も、以降の「4231、2ボランチ」の時にも、味方センターバック前の(ゴール正面)スペースは相手に安易には使わせていなかったということである。この点は、正面中距離シュートの不安も少なく、久し振りに安心して観ていられたものだ。
ちなみに、この陣形変更についてゲーム語のアギーレは、こう語っていた。
「サッカーは戦略のゲーム。複数のポジションができる選手が多いので、いろんな戦略が取れる」
なんのことはない、彼がそういう選手を選んでいるのである。
後は、
①岡崎のシュートは誰が見ても見事なものだった。あの位置で、敵ゴール側にDF一人を背負った上で、あの森重のパスコースでは、あのアクロバティックなシュート以外はあり得ないと後で分かった。そういうシュートを成功させた判断力、落ち着きが凄い。関連して、ゲーム後の岡崎の言葉が彼らしくって素晴らしいと感心したもの。国際Aマッチ通算40ゴールの感想を質問されたときにこう答えた。
『それより80試合以上出ていることの方が嬉しい。どんなチームにも適応しようと頑張ってきた自負がある』
こういう岡崎の言葉、考え方が、本田と対照的に聞こえるのは僕だけだろうか。
②このゲームで、案外皆が見落としている歴史的重大事が一つ起こった。4231のトップ下が従来の本田から、香川に替わったのである。それも前半36分に4231に替えてすぐに、そうなった。そして、香川は良く躍動していたと観た。良いクロッサーもいて、自分自身良いスルーパサーでもあるのだから、彼持ち前の擦り抜け技術を生かしてボールを運び、他人を生かして、それで定位置確保ができると、僕は思っている。岡崎から学んで、チームで自分が生きる技術はなにかと常に考えていて欲しいのである。彼の密集擦り抜け技術は誰にも真似できないものだ。特にペナルティーエリア内ではファールでしか止められないものだと観てきた。
『研究されて攻撃が組み立てられなかった』
こうして、92位などという世界順位は全く当てにならない。日本以上にアジアで孤立していて、強いチームと日頃やれない強豪だからである。
さて、オーストラリア相手にアギーレが言う「ティキ・タカ」(この語はスペインはバルセロナのショートパス攻撃の意味。そのリズム表現から由来したもの)の日本チームが、47対53とボールキープで負けるなどと、誰が想像したろうか。それほどに、相手はよく走り、日本のパスを寸断していた。前半は多分、オージーの方がシュート数が多かったろう。
そこでアギーレが動いた。後半1分に遠藤を今野に替えた。前半36分に4231で長谷部、遠藤のダブルボランチにしていたのだが、後半にはその一人を入れ替えたのである。これでもってゲーム総シュート数が13対7と逆転したのだが、見事な采配と言うべきだろう。もっとも、アギーレは前からこう語っていたのだが。守備時は433だが、攻撃時には4231にすることもあると。ただ、その形に替えるに際して、2ボランチの一角遠藤をいち早く下げて今野を入れたというのがザックと違う特徴だろう。今野の得意技は1対1に強い言わばマムシ。確か札幌にいた若い頃ここの監督を務めた岡ちゃんがこの才能を認めて「どんどんそこを伸ばせ」とアドバイスしたボール奪取の名手と聞いている。この交代こそ、アギーレがこの代表に臨んでは、あくまでも守備重視戦略姿勢を示しているということだろう。
ただし、このことは急いで付け加えておきたい。36分までの「433、長谷部1ボランチ」の時も、以降の「4231、2ボランチ」の時にも、味方センターバック前の(ゴール正面)スペースは相手に安易には使わせていなかったということである。この点は、正面中距離シュートの不安も少なく、久し振りに安心して観ていられたものだ。
ちなみに、この陣形変更についてゲーム語のアギーレは、こう語っていた。
「サッカーは戦略のゲーム。複数のポジションができる選手が多いので、いろんな戦略が取れる」
なんのことはない、彼がそういう選手を選んでいるのである。
後は、
①岡崎のシュートは誰が見ても見事なものだった。あの位置で、敵ゴール側にDF一人を背負った上で、あの森重のパスコースでは、あのアクロバティックなシュート以外はあり得ないと後で分かった。そういうシュートを成功させた判断力、落ち着きが凄い。関連して、ゲーム後の岡崎の言葉が彼らしくって素晴らしいと感心したもの。国際Aマッチ通算40ゴールの感想を質問されたときにこう答えた。
『それより80試合以上出ていることの方が嬉しい。どんなチームにも適応しようと頑張ってきた自負がある』
こういう岡崎の言葉、考え方が、本田と対照的に聞こえるのは僕だけだろうか。
②このゲームで、案外皆が見落としている歴史的重大事が一つ起こった。4231のトップ下が従来の本田から、香川に替わったのである。それも前半36分に4231に替えてすぐに、そうなった。そして、香川は良く躍動していたと観た。良いクロッサーもいて、自分自身良いスルーパサーでもあるのだから、彼持ち前の擦り抜け技術を生かしてボールを運び、他人を生かして、それで定位置確保ができると、僕は思っている。岡崎から学んで、チームで自分が生きる技術はなにかと常に考えていて欲しいのである。彼の密集擦り抜け技術は誰にも真似できないものだ。特にペナルティーエリア内ではファールでしか止められないものだと観てきた。