OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

シュキ&アビバの昭和歌謡フィーリング

2012-08-10 15:26:26 | 歌謡曲

愛情の花咲く樹 / Shuki & Aviva (東芝)

最近の芸能界は、まさに外人天国というか、韓国や台湾はもちろん、諸外国からの出稼ぎが本当に多いですよねぇ~。

そして、それがまた日本人よりも素晴らしい歌や踊りや各種芸能を披露してくれるのですから、素直に楽しまなければ勿体無い!?

サイケおやじは決して国粋主義者ではありませんので、幼い頃からそんなふうに思ってきましたし、本日ご紹介のシュキ&アピアが昭和48(1973)年に出した「愛情の花咲く樹」も、当時からノー文句で好きな昭和歌謡曲になっています。

いゃ~、何度聴いても、これは本当に良い曲で、もしかしたら、今ではカラオケの隠れ人気になっているかもしれません。

歌っているシュキ&アビバはジャケ写からも一目瞭然、本日のお題になっている出稼ぎ外人歌手であり、注目を集めたのは昭和48(1973)年に行われた東京音楽祭へのエントリーだった様です。

しかしサイケおやじは、そのステージはもちろん、テレビ中継にも接していませんから、どのような評価やウケがあったのは知る由も無いんですが、同年何時の間にか大会入賞曲として各方面でプッシュされたのが、この「愛情の花咲く樹」でありました。

また、ここで疑問に感じたのが、流行り始めた「愛情の花咲く樹」が日本語で歌われていた事です。

あれぇ……? シュキ&アビバってイギリス代表で東京音楽祭に出たという履歴からして、本来は英語で歌われていたはずが、つまり結局は当時の洋楽ポップスでは根強く続いていた、所謂日本語バージョン!?

そこでレコード屋の店頭で現物を買う前にクレジットを確認してみると、なんとっ! 作曲はシュキ=シュキ・レヴィながら、やっぱり作詞が阿久悠だったんですねぇ~♪

 愛 情のぉ~ 花咲き誇るぅ~♪
 樹の下でまた逢ったぁ~♪
 お さない日ぃ~ 愛を捧げたぁ~♪
 あのひとが立っていたぁ~♪

 駈けより手をとってぇ~ぇぇぇ~♪
 声もなく見つめ合うぅぅ~~♪

 ああぁぁ~ 変りなく美しいぃ~♪
 (その姿に) うたれてぇ~♪

実は曲調はイントロから本当に重いというか、深刻なムードであり、断罪されるが如きギターやオーケストラの響きが重なっていますから、必然的に歌のメロディも刹那的なんですが、サビからの最終パートに入るところ、つまり「ああぁぁ~ 変りなく美しいぃ~♪」の歌詞が、なかなか素晴らしい女性ボーカルの伸びのある声に導かれて、あぁ、これが本当にたまりません♪♪~♪

もちろん、そこは男女のデュエットパートになっている事は言わずもがな、ちょいと字余りっぽいニュアンスが逆に結果オーライなんですから、流石に阿久悠は良い仕事です。

そして同時期、これまた吃驚仰天なんですが、その頃のアイドル歌手としては人気も実力もトップクラスだった伊藤咲子が素晴らしいカパーバージョンを発表しているですよっ!

だって、当時の彼女は未だ17歳の頃でしょう。

と思っていたら、さらに驚いたのは、その伊藤咲子のデビューヒット「ひまわり娘」が、シュキ・レヴィの作曲だったんですねぇ~~!?!♪!

で、このあたりの流れをみると――

 昭和48(1973)年 シュキ&アビバ「愛情の花咲く樹」
 昭和49(1974)年 伊藤咲子「ひまわり娘」

という順序があって、共にクレジットは作詞:阿久悠、作曲:シュキ・レヴィであり、おまけに伊藤咲子の次なるシングル曲「夢見る頃」までもが、同じコンビのヒット狙いになっていました。

う~ん、阿久悠をしてアイドルに提供する歌の作曲を担当していたのですから、シュキ・レヴィは本当に日本人向けのメロデイを書ける才人だったんですねぇ~♪

ちなみに既に述べたとおり、東京音楽祭にはイギリス代表で出場していながら、シュキ・レヴィはイスラエル国籍だったようですし、デュエット相手のアビバのプロフィールは勉強不足で知りませんが、「愛情の花咲く樹」がフランス語バージョンでも発売されている事からして、フランスで活動していたのかもしれません。

ということで、外人でも日本人の琴線に触れるメロデイを歌ってしまう事例は、シュキ&アビバ以外にもどっさりありますが、中でもシュキ・レヴィは過小評価されている、あるいは紹介される努力がなされていないのかもしれませんねぇ。

そこで今般、気になってネットで検索してみたら、歌の世界のみならず、映画やテレビの仕事も各方面でやっているみたいですし、案外とビジネスの才覚も相当なものなんでしょうか。

とにかく今後、シュキ・レヴィが残した歌謡曲関連のレコードは要注意と、心に決めてしまった次第です。

コメント
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