OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジョーン・ジェットの姐御肌ロック

2012-08-13 15:43:43 | Rock

クリムゾンとクローヴァー / Joan Jett & The Blackhearts (Boardwalk / Wea)

仕事関係先のお偉いさんの孫娘がロックバンドをやっているとの事で、以前から招待(?)されていた彼女たちの練習現場を見学してきました。

で、結論から言うと、一生懸命にやっているのは気持が良いし、サイケおやじにも共感するところはしっかりあるんで、なかなか楽しい時間だったんですが、やっている側が何をやっていいのか、全然わかんなぃ……。

なぁ~んて告白(?)するんですから、いやはやなんとも、こっちがドギマギしてしまったですよ。

つまりカッコE~、ロックをやりたい気持はあるけれども、それが見つからないって事らしいんですねぇ。

そこで年寄りの独断と偏見に基づき、推薦しておいたのが、本日の主役たるジョーン・ジェットのハードなロケンロール!

今や多くのガールズバンドがお手本にしているんで、あまりにも真っ当かもしれませんが、しかしジョーン・ジェットのロック魂のリアルさは絶対の本物ですからねぇ~♪ 表面的に彼女の演目をコピーしている中で、それに気がつけば最高でしょうし、興味を抱いてジョーン・ジェットの今昔を聴き続け、その人生に何かしらの共鳴を抱ければ、それはそれで素晴らしい事だと思うわけです。

ご存じのとおり、ジョーン・ジェットは下着姿でのハードロックがクライマックスのウリだったランナウェイズのギタリストであり、バンドがアメリカ以外の世界各国で大ブレイクして以降も、常にロックの王道に拘り続けた稀代の女傑なんですが、その一念にあるところは、本国アメリカで認められる事だったと思われます。

それはランナウェイズが落目になってメンバーチェンジが相次いだ後も、常に中心となってバンドを率いていた事でも明らかですし、中には契約の関係でちょいとポルノっぽい作風の同バンド伝記映画の制作にも関わっていたほどです。

しかし結局、ランナウェイズは奮闘虚しく1979年頃に解散すると、ジョーン・ジェットは活動の場をイギリスに求め、最初のソロアルバムを自主制作する等々、とにかく懸命な姿勢は真のロック魂の発露でしょう。

実はこの当時、サイケおやじはロスの名物ライプハウス「ウイスキー・ア・ゴーゴー」に出ていたジョーン・ジェットを見ているんですが、それとて正直、ダサい野郎どもをバックに従えた元ランナウェイズの云々という、失礼ながら土産話のネタにでもなれば、なぁ~んていう軽い気持でした。

ところが実際に迫ってきた音は紛れも無いハードロックであり、ちょっとサイケおやじの嫌いなパンクっぽい感じもしないではなかったんですが、そこは修羅場を幾つも踏んできたジョーン・ジェットの姐御肌!

如何にも芸能界保守本流のアイドル性と下積みの捨て鉢な感性がジャストミートしている強烈なムードの発散は、それがそのまんま本物のロックを体現していましたから、最初っから軽い気持ちでその場に入ったサイケおやじは、完全にKOされましたですねぇ~~♪

ちなみに当日のライプは他のバンドも出ていて、ジョーン・ジェットは決してメインでは無かったと記憶していますが、今となっては彼女以外に誰がやっていたのか、全く心の片隅にも残っていないほどです。

また、その時の思い出としては、前述した彼女の自主制作レコードが機材なんかを運んできたワゴン車で売られていたことで、当然ながらサイケおやじもライプを見た後、これは絶対に欲しい! と決意していたら、とっくに売れ切れていたという異常事態(?)でした。

つまり、既に潜在的なジョーン・ジェットのファンはかなり増殖していたのでしょう。

そして大手レコード会社との契約も成立し、1982年になって「I Love Rock N' Roll」の大ヒットを放った頃には、バックバンドのブラックハーツを率いた巡業ライプも盛況であり、時にはクイーンやポリス等々の人気バンドの前座を務め、トリの大物をペチャンコにするほどの熱演は、今や伝説でしょう。

そういえば同時期、「ジョーン・ジェットの爆裂ムービー」の邦題も凄まじい意味不明のインディーズフィルムもありましたが、これは既に述べた、ランナウェイズをモデルにポルノチックに作られようとした未完成映画の抜粋という説が有力なので要注意!

もちろん昨年我国でも公開された伝記映画「ランナウェイズ」とは別物ですよ。

さて、そこで本日掲載したシングル盤は、その人気を決定づけた傑作アルバム「アイ・ラブ・ロックンロール」から1982年にカットされたもので、特にA面「クリムゾンとクローヴァー / Crimson and Clover」は世界中で大ウケしたわけですが、もちろんこれはトミー・ジェイムスとシャンデルスが1969年に放った大ヒットのカパーであり、オリジナルに顕著だったサイケデリックなムードを逆手に活かしたハード&ストレートな解釈は、素直なだけに好感が持てます。

それはアマチュアバンドがやっても、コピーは難しくありませんが、安易な気持で取り組んでしまうと、後で失笑は必至!?

しかし、こういうものを真剣にやらないで、何がロックか!?

サイケおやじは本当に、そう、思いますねぇ~。

ということで、本家ランナウェイズからは多くのガールズバンドが影響を受け、例えば我国ではガールズという「和製」も登場したほどですが、当時夢中になっていた野郎どもだって、それが高じてジョーン・ジェットのファンになっている実態も否定出来ないでしょう。

何よりも一説によれば、ジョーン・ジェットのバックバンドであるブラックハーツの面々は基本的にランナウェイズ、あるいはジョーン・ジェットのファンであることが絶対条件のオーディションがあるとか!?

極言すればジョーン・ジェットを女王様と崇めることによって、強固なロック魂がそこに降臨する!?

そんな感じでしょうかねぇ~~♪

ちなみにジョーン・ジェットは同性愛シンパの菜食主義者ですから、つまりは肉食系女子ではないと思われますが、やっている事を聴いたり、見たりすれば、そこには猛烈に襲いかかってくるエネルギーが満ちている事を意識せずにはいられません。

あぁ、もう一度、ジョーン・ジェットのライプに行きたいっ!

コメント (4)
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