OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

フラッシュファンの自嘲の告白

2011-10-09 15:36:22 | Rock Jazz

In The Can / Flash (Sovereign)

引き続き本日も美味しいジャケ写ということで、フラッシュのセカンドアルバムを出してきました。

画像が小さいので、ちょいと抽象的かもしれませんが、これをLPサイズと仮定凝視していただければデビューアルバム同様、なんとも「フラッシュ=チラ見せ」な意図がバンド名に偽り無し!?!

 A-1 Lifetime
 A-2 Monday Morning Eyes
 B-1 Black And White
 B-2 Stop That Banging
 B-3 There No More

しかし肝心のバンドそのものは、今に至るもイエスの亜流としてしか語られず、それは一座の看板スタアがイエスを強制退去させられたギタリストのピーター・バンクスであり、しかも音楽性が極めて似通っている事にあります。

それは実際、この「イン・ザ・キャン/ フラッシュ2」には尚更に顕著で、1972年晩秋に発表された時期を鑑みれば、イエスは直前に大傑作アルバム「危機」を出したことにより、結果的にフラッシュの時代遅れ感が明瞭に……。

ちなみに、このアルバムはピーター・バンクス(g,key,vo)、コリン・カーター(vo,)、レイ・ベネット(b,vo)、マイク・ハフ(ds,per) というレギュラーメンバーだけで制作されたんですが、専任キーボード奏者が不在の所為でしょうか、サウンドの厚みとかアレンジの面白さが幾分希薄に感じられます。

そして率直に言わせていただければ、イエスが前年に出した大ヒットアルバム「こわれもの」を後追いしたような楽曲や演奏ばかりなんですねぇ。

例えばA面ド頭収録の「Lifetime」は組曲形式の長尺演奏なんですが、アップテンポで起承転結を狙ったと思われる仕掛が空回り気味……。しかもピーター・バンクスのギターがイエスに自分の後任として入ったスティーヴ・ハウと同じようなフレーズを弾いたりするもんですから、あんたには意地ってものが無いのかっ!

不遜かもしれませんが、思わずそんな詰問をしたくなるんですよ。

まあ、本人からすれば、いきなり高い評価を得たスティーヴ・ハウに対し、俺だって、あのぐらいは簡単にやれるぜ! って事を証明したかったのかもしれませんが、曲調がイエスそのものといって過言ではありませんから、失礼ながら他のメンバーの力量だって比較云々は避けられず……。

結局、こういうトラックをトップに据えてしまうところに、フラッシュの本音と限界があるんじゃないでしょうか?

しかし続く「Monday Morning Eyes」は遊び心も憎めないファンキーロックの新展開として、個人的には好感触なんですが、ここでも肝心な時にイエスを意識しまくったとしか思えないアンサンブルのキメとか、ボーカル&コーラスの方法論そのものが、どうも……。

それでもB面に入っての「Black And White」では、ピーター・バンクスも面目躍如のジャジーなギタープレイが全開の大組曲! 当然ながらアルバム全篇において、本人のギターとシンセ系キーボードが多層的に重ねられる音作りが実践されていますが、これは一番上手く意図表現出来た熱演じゃないでしょうか。

ですから数度の場面転換に伴うボーカルとコーラスのコントラストもイヤミがありませんし、明らかなイエスからの影響が、ここでは良い方向に作用していると思います。というか、実はピーター・バンクス在籍時のイエスを彷彿とさせるところが、実に良いんですねぇ~、それが時代遅れだったとしてもです♪♪~♪

そして「Stop That Banging」が、なんとっ!? マイク・ハフの打楽器によるソロ演奏!?

まあ、短いから良いんですけど、それがイントロ代わりになって続く「There No More」が、これまた大作プログレ路線とは言いながら、実はイエスのサードアルバムに入っていた「Perpetual Change」のコピー改定版じゃねぇのかぁぁぁぁぁぁぁ~!?

う~ん、こういう事を臆面もなくやらかし、しかも直言すれば歌も演奏もコーラスも技術的なものを含めて、全てイエスに及ばないんですから、いやはやなんとも……。

本当に強烈なB級テイスト以下の二流路線も極まれり!?

流石にピーター・バンクスのファンであり、フラッシュのデビューアルバムを愛聴していたサイケおやじにしても、それが痛感されて悲しくなりましたですねぇ。

しかし、だからこそ、フラッシュが愛おしくてたまらない!

そんな感慨は今でも確かにあるんですよっ!

それがこうして時たま、このアルバムに針を落すという行為に繋がり、周囲からは呆れられるわけですが、案外と同じような気持のファンも多いんじゃないかと自分に言い聞かせる事も度々です。

つまりフラッシュは愛すべき「超」二流バンドであり、それは決して自分にとっては悪いイメージではありません。

なぜならば、だからこそ、次は凄いにちがいない! 

そう思わせてくれる「何か」が、あるのです。

ということで、最後は苦しい言い訳かもしれませんが、そういう漠とした期待感があったればこそ、サイケおやじは次なるサードアルバムも迷わずにゲットした過去があります。

もちろんフラッシュは奮戦およばず、売れずに解散という結末も知ってのとおりなんですが、確定した過去を振り返り、未来に希望を求めるのに言い訳は必要ありませんよね。

思わず自嘲してしまったです、はい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする