OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

アン・マーグレットが好きっ!

2011-10-16 16:04:42 | Pops

Hey, Little Star / Ann Margret (RCA / 日本ビクター)

アン・マーグレットはハリウッドのスタア女優であると同時に、素晴らしい歌手としての存在感も絶大で、特に1960年代に作られたLPは広くボーカルファンのコレクターズアイテムであり、またシングルで発売された楽曲は特にチャートに入るようなヒットはありませんが、なかなか魅力的な歌がどっさりあります。

例えば本日ご紹介の「Hey, Little Star」は、1964年の甘~いドリーミーポップスの決定版♪♪~♪

とにかく曲メロの胸キュン感は、どっかで聞いた事のあるような親しみ易さと共に、我国でもオールディズ系ニューミュージックに数多盗用されていますが、実はアメリカンポップスとしても所謂黄金律として、このシングル曲発売以前から定番化しているものの応用だと思います。

それは曲を書いたのが、後に1970年代ポップスの人気グループとなるブレッド結成メンバーのデヴィッド・ゲイツという真相を知ってみれば、納得する他はありません。

まあ、このあたりはサイケおやじが稚拙な文章を綴るよりも、皆様に実際に聴いていただくのが一番なんですが、実はアレンジもデヴィッド・ゲイツが手掛けたという自己完結の完璧性がニクイばかり♪♪~♪

そして肝心のアン・マーグレットの歌唱がこれまた素晴らしく、率直に言えば「ブリッ子」風味も強いんですが、そこが「せつなさ」を醸し出す演技力というか、流石は歌える女優の本領発揮だと思います。

ちなみにアン・マーグレットが大きくブレイクしたのは1963年、エルビス・プレスリーの入隊騒動をパロッたコメディミュージカルの「バイ・バイ・バーディ」、またエルビス・プレスリーと共演した「ラスベガス万歳」等々、つまりハリウッドの典型的な娯楽作品だったと思いますが、前者での溌剌としたミーハー娘から後者の凛としたお色気美女という十八番の演技力は、並行してレコーディングされていた多くの歌の仕事にも活かされているのです。

そして決して忘れてはならないのが1975年、ザ・フー畢生の傑作ロックオペラ「トミー」の映画版で演じた三重苦トミーの母親役でしょう。

これはご存じのとおり、障害者の子供をなんとかするべく奔走するアン・マーグレットが、結局はトミーがピンボールのチャンピオンになって稼いだ大金により、自堕落な生活に埋没するという、ある意味では主役だったんですが、普通の台詞が無いに等しく、ほとんどが歌と演奏だけで構成された映画の中で見事に役柄に成りきった名演は最高でしたねぇ~~♪

これはザ・フー、あるいはロックファンだけでなく、全人類必見の作品だろうと思いますし、なによりもアン・マーグレットを観るだけでも絶大な価値がありますよっ!

確かゴールデングローヴやアカデミー等々の賞を獲得したのも、この「トミー」での演技だったと記憶していますが、アン・マーグレットはそれ以前にも芸能各賞ノミネートや受賞は常連でしたから、推して知るべしでしょう。

また1970年代後半~1980年代にはディスコ系の楽曲もヒットさせていますし、自然体のフェロモン放出は若い頃はもちろん、中年のおばちゃんになってもレオタードや極小短パン姿で披露するダンスは全くの違和感が無く、実に男好きするエロキューションを見せてくれるのは驚異的♪♪~♪ 現在でも第一線で活躍する、その存在感は薄れていません。

ですから、何故か歌や出演映画作品の系統的な復刻が纏められていないのは残念の極み……。

この「Hey, Little Star」にしても、良好なマスタリングでCD化されたものは無いようですし、人気盤が多いボーカルアルバムにしても、所謂「美女ジャケット」としての評価ばかりが優先されている現実は少し哀しいところです。

ということで、歌える女優のレコードも楽しみが尽きません。

なにしろジャズボーカル物よりも奥が深く、広い守備範囲が求められますからねぇ。

それゆえに虜になったら抜け出すのには相当の覚悟が必要であり、それは蒐集開始の決意よりも遥かに大きい事は言うまでもありません。

しかし、それだけの努力を積み重ねるに値する世界であることも、また事実!

毒喰らわば皿というか、一度は踏み込んでみるのも人生の勉強かと、ひとりで言い訳をしているのでした。

コメント (4)
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