OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

気分はニューロックの名曲

2011-10-26 15:33:13 | Rock

クリムズンとクローバー / Tommy James & The Shondells (Roulette / 日本ビクター)

さて、1970年代前半のアマチュアバンドが例え思い込みにせよ、流行のニューロックを標榜したところで、現実的に自分達のテクニックでは当時のトップミュージャンを真似出来るはずもありません。

なにしろ、その頃はきっちりした教則本がそれほど無く、レコードで聞かれる音の出し方とか、多重録音を用いて作られた楽曲構成をライプ向きにアレンジする方法の統一性も見つけられず、そもそもお手本にしたい外タレの来日公演が少なかったのですから、それは自己流と言うよりも、無手勝流……。

しかし同時に、その頃の洋楽ヒットの中には如何にもシンプルな遣り口で、きっちりニューロックの雰囲気を醸し出せる楽曲が幾つもあったんですよねぇ~♪

例えば本日ご紹介の「クリムズンとクローバー / Crimson And Clover」は、あのシンプルにして楽し過ぎるバブルガムR&Rの極みつき「Hanky Panky」を大ヒットさせたトミー・ジェイムスとシャンデルスが1969年に放った大ヒットなんですが、そのキモはもちろん、滲みまくったニューロックのムードでした。

それはジンワリと歌い出される怠惰な曲メロにジャストミートした脱力ボーカルが、如何にもサイケデリックロックのエッセンスを巧みに利用した成功例! しかも演奏全体に芯の強いアクがあって、聴くほどに素晴らしいサウンドプロデュースだと思います。

ただし、そんな制作側の思惑が、どれほどリアルタイムの若年層ファンに理解出来ていたのかは疑問が残るところで、少なくともサイケおやじは自分の好みに合った「本物のロック」として楽しんでいましたですねぇ♪♪~♪

つまり時代に迎合した「売れセン狙い」と蔑むよりも、やはりミュージシャンにとってはレコードが売れなければ存在意義が無いわけですから、好きなものは好き! とリスナーは素直に楽しまなければ損でしょう。

その点、トミー・ジェイムスは子供時代から芸能界どっぷりだったようですから、妙にカッコをつける必要も無く、その百も承知の自然体が「クリムズンとクローバー / Crimson And Clover」では立派にサイケデリックロックを演じきったと言っては語弊があるでしょうか?

そして付け加えますが、この曲はトミー・ジェイムスがそれまでのプロデューサーだったリッチー・コーデルと別れ、自作自演したものですし、アレンジは当時のバンドメンバーだったピート・ルシア(ds) がやったのものですから、その必然性は否定出来ません。

ですから、後にはかなりの大物ロックミュージシャンが、この「クリムズンとクローバー / Crimson And Clover」をカパーしたという現実も無視出来ないところで、特にジョーン・ジェット&ブラックハーツが出した1982年のバージョンは秀逸!

しかも、この文章を書くので取り出した彼女のレコードには、なんとっ!? 前述したリッチー・コーデルがプロデュースを担当したという記載があり、そのあまりの恐ろしさ(?)に震えてしまいました。

これは、ぜひとも、併せてお楽しみ下さいませ♪♪~♪

ということで、最後になりましたが、サイケおやじが入れてもらっていた高校時代のバンドでは、ドライヴするベースのキメやウキウキしてくるロックグルーヴが楽しい中間部において、如何にもアドリブっぽい真似事が出来るので、自己満足していましたですねぇ~~。

まあ、本当は失笑された事も度々でしたが、それでも自分達なりのニューロックに酔いしれていたのですから、やっぱり笑われて当然でしょう……。

いゃ~~、ですから確かに今でも「クリムズンとクローバー / Crimson And Clover」を聴くと、なにか自嘲モードに入ってしまうばかりですが、もしも当時のメンバーが集まれば、この曲をやってみたいと思うのでした。

コメント
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