OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

やったらバカノリのスレイド

2011-10-21 15:26:49 | Rock

Gudbuy T'Jane / Slade (Polydor / ポリドール)

毎年、ちょうど今頃は学園祭のシーズンとあって、様々な文科系クラブや同好会は活気づくわけですが、すっかり中年者のサイケおやじにしても、一応はバンド活動をやっていた青春時代を思い出せば、なにやらホノボノとした気分になってしまいます。

それは堂々の大義名分を得て、学校体育館のステージで演奏出来るという事に加えて、当時は歌謡フォーク全盛でしたから、幾分冷ややか扱いを受けていたバンド組がそれゆえに自己主張の意地を見せるという部分が大きかったように思います。

つまり自己満足とウケ狙いの所謂「二股」を両立させる事に腐心するジレンマが、逆に楽しかったんですねぇ~♪

そして常に仲間内でモメるのが演目についての諸々で、あれが歌いたい、これを弾きたい等々の相談が、時には口論や人間関係の縺れになる事は言うまでもありません。

例えば本日ご紹介の「Gudbuy T'Jane」は、イギリスのハードロック系グリッターバンドとして1970年代前半に人気が高かったスレイドという4人組のヒット曲なんですが、あまりの分かり易さゆえにダサいという側面は否定出来ず……。

しかし現実的に自分達はゼップやジェフ・ペックの曲をやれるか?

そう問われれば、否としか答えようがありません。

なによりも聞いてくれる人達にウケなかったら……。

そんなマイナスのベクトルを考慮すれば、ここはひとつ、皆が知っているヒットメロディとシンプルでノリの良い曲をやるのが、自分達の「立つ瀬」じゃないのかなぁ、という結論に至ったのですが、そこまで大人の考え方が高校生に納得出来るはずもなく、少なくともサイケおやじは不満たらたらでしたねぇ。

ところが、これがやってみると、なかなか気持が良いぃ~んです♪♪~♪

まさに我を忘れるが如きロックの基本的なノリが満点に仕込まれていて、恥ずかしながら、嬉々としてギターを弾きまくってしまったんですよっ!

う~ん、ウケるにはウケるなりの理由がきっちりあるって事です。

で、肝心のスレイドは別名義のバンドとして1960年代中頃からプロ活動をやっていたという履歴はあったのですが、日本の洋楽ファンに知られるようになったのは1972年頃だったと思います。

ただし、それは決してスレイドというバンドがブレイクしたという事では無く、既に皆様がご推察のとおり、リアルタイムでブームになっていたT.レックスやデヴィッド・ボウイ等々のグラムロックスタアの人気に便乗する形で紹介されていたのですから、実質的に彼等のポートレイトが表に出てしまった時、本音で違和感があったことは隠せません。

率直に言えば、グラムロックにしては些か加齢臭が強いムードのスレイドが、それでも本国イギリスではヒットチャートの常連であり、ライプでの評判も上々という真相に触れた後、結果的に日本ではそれほどの人気が得られなかったのは不思議なほどなんですが、やっぱりジャケ写からも明瞭なルックス的問題でしょうか?

この当時のメンバーはノディ・ホルダー(vo,g)、デイヴ・ヒル(g,b)、ジミー・リー(b,key)、ドン・パウエル(ds) という顔ぶれですが、特に技術的にあれこれ言うよりも、いろんな面で纏まりの良さを感じさせるのは職人技というやつかもしれません。

つまり苦労が染み込んだロックサウンドは、英国ならではの「労働階級の音」かもしれませんし、そういえば歌詞の英語は曲タイトルも含めて、文法的に???という部分があったりするのですから、意図的にバカを演じていたとしたら、大したもんだと思います。

それはライプ盤になると、さらに熱い歌と演奏の騒乱ロックが楽しめることにも顕著ですし、シングル盤向けに作られたであろう楽曲のダサいばかりのウケ狙いも、こうなると流石の一言!

何か、スレイドをやるのに理屈を探してしまうのが、虚しくなるほどなんですよねぇ~~♪

ということで、最後になりましたが、スレイドはグラムロックというよりも、基本的に生粋のハードロックバンド!

やっていて、それを感じましたっ!

ですから売れなくなってもスレイドを続けていたメンバーの気持も分かるような気がしますし、「わかっちゃいるけどやめられない」ものが、このバンドの演目全てにあると思っています。

聴いていて楽しいのは無論ですが、バンドやるのなら、騙されたと思ってスレイドを演じてみて下さいませ。

ノリますよっ!

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする