世界柔道の阿部兄妹が熱戦を展開する中継の前、目が覚めて夢を見た。恋愛指南のような合宿の夢だった。うちの組は、もう二人が年下で。オレが偉そうな事を言っている。まずは、相手を研究してだな。それから行動だ。一人がもう、居ても立ってもいられない程、鼻息が荒い。それを察して、お前、思っている相手がいるんなら、まずアタックして来い。脱兎の如く、飛び出して行った。
良く言うわ。目が覚めて、まず思った。
最近は、昔の事を思い出すと、すべてに於いて「なんて浅はかな人間だったんだ」と反省することばかり。
新婚の頃、飲みに行った。おそらく最初は、妻がメシを作って待っているのも気に掛けず、喜んで出掛けたに違いない。あとで聞いた話だが、片っ端から、知ってる飲み屋に電話して、「主人がお邪魔してませんか?」と聞いて回ったそうだ。
当たり前だよな。今なら分かる。その不安な時間を。飲んでない人間の感じる時間の経過は、とても当人の比じゃない。何かあったんじゃ、なかろうか。暗闇の側溝に落ちて、倒れてはしまいか。外へ出て、アパートの周りを探したかも知れない。
付き合い始めの頃、オレの方にも、そういう経験がある。とても些細な事。男女の違いによる、考え方の相違から、口げんかのようになって、出て行かれた事がある。その下宿には初めて来た日で、立派な山門のある寺の境内の向かい側で。間に大きな側溝というか、小さな小川というか、流れていた。
日が落ちると真っ暗に近い。しばらく戻って来ないので不安になった。不安になると、余計な事を考える。まさか、側溝に落ちてしまったか。探しに出たが、見つからない。相手のお母さんに電話した。今、ケンカして、出て行ってしまって、戻らない。そう言うと、お母さんは「大丈夫、戻って来るから」と答えた。その言葉は、とてもオレを落ち着かせた。親子だし、霊感があると言うし、なんか良かった。
な~んてことを、目を覚ますたび、何かしら思い出しては反省している。
あ~あ。死んだら、閻魔さまにすべての件で、責められるだろうな。お前は極楽に行く資格、無~し!
写真は、秋田市植物園にあるハンカチの木。