きのうからFM歌謡スクランブルで、大事なシリーズが始まるのを急遽思い出して。それは「プレーバック90年代」というのだが。
一番近いホームセンターへカセット・テープを買いに行った。一目見て、知らないブランドだったので、良く見たら「原産国:中国」とあった。ホエーッ、やな予感。
家に着いて、開けてみる。印刷された破くフィルムでなく、紙製。その紙も、薄っす~い、ぺらっぺらの古紙みたいな紙。それもごらんのとおり、手垢でも付いたようなムラのある白。
驚いたのは、穴が。なぜか、穴が、開いていた。プラスチック・ケースに守られたモノに、穴が。そして4本のうち、3本がまともにカセットを取り出せなかった。引っ掛かるのだ。
さあ、これで。音質を期待する方が、おかしいだろう。紙のパッケージには、不吉なことが書かれてあった。
さあ、これで。音質を期待する方が、おかしいだろう。紙のパッケージには、不吉なことが書かれてあった。
「録り直しの出来ない大切な録音の場合は、事前にテスト録音し、確認の上ご使用ください。」その下には、ご丁寧に他の原因で起きそうなトラブルが並べられていた。
どこまで気の小さい会社なんだ。出荷する前から、恐縮しまくっているじゃないか。そんなに、クレームが怖いか。あきれるな。
こっちは、一発勝負で大事な番組を録るしかない。
始まっても、不安だらけだった。90分通してオートリバースで最後までやってみるしかない。
ところが事後に比較するにも、音質の良い曲が登場しない。踊るポンポコリン? さよなら人類? あ、っそうだ。たまの曲「さよなら人類」これを聴いた時の衝撃は、今でも忘れません。あの、ディスコ全盛の浮かれた時代に、「たま」が降って湧いたように登場した。
織田哲郎の「キズナ」が掛かった時、これだ、と思いました。全体の音が素晴らしいし、特に低音が凄い。電波に乗せるギリギリ50ヘルツ付近のフワッとしたベースの音が入っている。
そしたら大勢の期待を裏切って、ちゃんと録れていました。ベースの、地の底から来るような低音が再生されていました。有難い。「ごうか~く!」合格、合格。やれば出来るじゃないか。やらないだけか。
なんの疑問も持たず使えたジャパン・ブランド。どんなに有難い時代だったか、今更思う。