朝早く起きたら、メダカの水槽の一つに、でっかいおにぎりが投げ込まれていた。
なんてこと、するんだ。食べ物を無駄に捨てるとは。って、怒る気持ちはないよ。
メダカが、すっ飛んで行ってなければ、オレは大丈夫。一匹、卵から孵って泳いでいたやつが巻き込まれたかも知れない。まあいずれ親に食われる運命だったろう。
一番先に、思い浮かんだのが、きのう騒ぎになった光る物体のことだ。50cm級の隕石らしいが、上空にそれを発見した人は、ビビったろう。メダカもおんなじさ。
時に、隕石の爆発音を聞いたという証言があるそうだ。これはアレだろ。衝撃波だろう。ジェット機が音波の壁を越えた時に出るやつ。地面にクレーターが出来るほど大きな隕石が落ちたら、衝撃波で耳がやられるだろう。海外の映像では、耳を押さえてしゃがみ込んだのが映った。
さて、このおにぎり。どうしたもんかねえ。一緒に生活していれば、空き缶やビンを置いて行かれることもある。いちいち学校に抗議はしない。
一応、学校関係者だったから、その子の事情は、なんとなく推察できる。
20世紀の話だが、男鹿の普通高校に勤めていた時のことだ。用務員のおじさんが、いつもこぼしていた。放課後、焼却炉に持って来たゴミを焼いていると、必ず黒焦げになったおにぎりが何個も出て来たことがあった。
おじさんも分かっていた。みんなが弁当広げてワイワイ食べている時に、ひとりおにぎりをほおばるのは、かっこ悪い。というか気が引ける。勇気が出ない。何も悪いことをしているわけではないが、そういう気持ちになる。
どんなに後悔したろうね、その子は。母親がせっかく握ってくれたおにぎりだ。一番残念なのは、その子だろう。
高校生ぐらいまでは、そんな時期があるもんさ。
そのために、ことわざがある。後悔先に立たず、ってね。
まさか野球部じゃないだろうね。きょうは天気がいいから許したる。二度目は、ないよ。