松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

岩手県民の誇りと不安

2020-07-15 12:39:35 | 日記・エッセイ・コラム

 コロナが唯一侵入出来ない県、岩手。その県民は今、誇りで一杯ではない。 むしろ不安の方が大きい。

 盛岡の4年で、一番くっついて歩いたのが、猊鼻渓のあたりから来た佐藤だった。多分二人はあっち方面だと思われていたに違いない。

 性格は穏やかで、怒ったことはない。笑って指摘はするが、それでおしまいだ。優し目の宮沢賢治のような人間だった。遠くを見て思索に没頭しているイメージが強い。思えば岩手の人間は皆、それなりの宮沢賢治かも知れない。

 何かに書いてあった。その姿、牛の如し。口数少なく頑固者の、典型的東北人。まあまあ当たってる。雪深い北国で形成された寡黙で辛抱強い岩手県人。


 
 盛岡を定点カメラで観測したら、マスクをしている人は59%だと言っていた。それほどあの街では、社会的距離を取るのが容易だ。ただしスーパーに入る時は、マスクを取りだす。岩手県民にとってはエチケットというより、徹底して自分を守る気持ちが強いのかも知れない。

 一様に「第1号」にはなりたくないとおっしゃる。それは県民に迷惑が掛かるという意味と、恥辱的な記録を作りたくない、二つの動機がある。

 それは凄いプレッシャーらしい。それが臆病なまでの行動様式を生むこともある。大船渡のタネ屋さんだったか、麦わら帽にカーテンのように手拭いを垂らして自身は動かず、レーザーポインターで商品を案内していた。1/3が宮城県の客だそうだ。

 わんこそばが、静かになって食べやすそうになっている。しつこく近くでお代わりを放り込むことが出来ないからだ。あれなら、やってみてもいい。じっくり薬味を変えながら、本来の味を楽しめるだろう。

 しまった。もう一つ書きたいことがあった。風水は詳しくないが、岩手は北上川が南北に流れている。正確には北から南へ。これがいい。コロナを遠ざけているのは、この川じゃないか。

 盛岡の北、四十四田ダムのさらに上、もうすぐ青森という場所を発して、賢治のゆかりの花巻、金色堂の中尊寺、一ノ関から宮城県に入って太平洋に抜ける。盛岡は3本の川が合流する。雫石川と中津川。これが県都にあるんだから、最強ですよ。

コメント
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