棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

鍔の修正 奮闘記

2018-03-05 18:11:29 | 山郷の暮し
 奮闘記などと大仰で、写真となると汚らしい鍋からです。

知人が鍔のまとめ買をしたのだがどう見てもひどい状態のものがあり、何とかならないかと持ってきた。
私は鍔には素人であり、ましてや修正などできないとお断りしたが、だめもとだから研究のつもりでためしてくれ、ということになる。

経年の汚れというよりも図柄もわからないほど汚らしい代物である。
べっとりと塗られた黒いものが、いかなるものかわからなくてはならない。
手順はお湯にて洗ってみるとベタつきがあり墨のような黒色が手に着く。
湯に溶けるとなると漆ではない。
膠ではないかと判断し4-50度のお湯に一晩つけておくと、御湯がわずかに飴色になっている。
しかし、ベットリと塗られた(又は濃い膠に浸けたかも・透かし・耳部にはシズクの塊が着いている)黒いものは取れない。

 膠は湯から出せばたちまち硬くなり、こんなときはまことに始末が悪い。そのうえ、現在の膠と異なりかなり接着力は強く硬いしろものである。
知人の日本画家や工芸家から聞いた話であるが、昔のような良い膠がなくて困るといっていたことを思い出す。
話を戻すと、強烈な膠におそらく墨を混ぜたか、削り取った黒粉は砂鉄のように磁石に反応する。
もしかしたら鉄粉でも混ぜ込んだのか、ともかく硬くこびりついている。
膠は湯に浸けておくだけでは溶解剥離はしてくれず、揺り動かさなくてはならない。


 二日目にして銅地で線刻による巴組された茗荷模様であることが判った。
そのうえ銀鍍金がされている。となると、あまり強く擦り取ることをできない。
ともかく時をかけてお湯の中で筆にて気長に擦り取るしかないが、簡単にはいかない。
4日にしてもまだまだ取れない。線刻に食い込んでいるうえに銅の地肌がアバタである。。
綺麗になっていくにしたがって、こびりついた黒がかえって気になるものである。

 さて鍔本体のことであるが、地造りがかなり荒くアバタで、また、線刻も丁寧さに欠けている。
気になったのは、切羽台が凸凹で使用感が無い。
あえてそのように製造したかは不明だが、銀鍍金をする限りそれなりのものには違いがない。
ではなぜ黒色を塗ってしまったか、それもかなり雑な感じである。
鍔には漆塗りをされたものもあり、ナニカ塗られているものも珍しくはないが、この鍔に関しては素人仕事としか思えない雑さである。
何よりも地の荒さに食い込んでおり、取れにくい。製造時の姿に戻したく根気仕事である。

こんな状態が一週間も続くことになってしまった。
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