棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

5--MY TIBET ラマ寺院内を描く

2009-11-05 08:10:54 | 創作活動
チベットと聞くとパッと思い浮かぶのは、極彩色のすざましいエネルギーを放つ佛画ではなく、壮大なラマ寺院(ゴンパ)でもなく、どこまでも透明な空でもないのです。
1993年5月に首都ラサで目撃したことです。
地に臥し立ち上がる。繰り返し繰り返し、身の丈だけ進む五体投地の祈り。手足はもちろんだが、鼻の頭やオデコにタコをつくっている老若男女。
「オンマニペメフム」と唱え、至福の喜びにみちた人たちだ。
其のすぐわきを、中国軍のトラックが物凄い砂塵をまきちらし、棒寂無尽にしっきりなしに走り抜けていった。私は無性に腹が立ち、怒りの涙が出たことを思い出してしまう。
昨日までチベッタンの居住区に一杯飲みに行ったのに、路地路地には銃を水平にかまえた兵士で封鎖されてしまった。(この時同行したイギリス人によって世界に報じられた)
そして、「あなたの安全のためです」と慇懃に言われ、ホテルからでることを禁止されてしまった。そして・・・外人は強制的にラサから退去命令を受けたのだった。
そうです。私はチベットとなると、このときの感情そのままになってしまうのです。
製作の「MY TIBET--ラマ寺院内を描く」も、このときの怒りがべースにあり、チベットは断じて漢民族の地ではないと訴えたいのです。


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