棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

霧が流れる朝

2009-11-25 09:16:55 | 山郷の暮し
枝が重なり合う散歩道のゆくては霧に隠れ、見慣れた木々がまったく別な様相で浮かんでいる。
ザーザーと車の流れる音は、灰色の深い空間から響いてくる。いつもの騒がしい音すら違って聞こえる。
しっとりと湿った枯葉を踏みしめる小道は、ここちよい弾力がある。
霧の粒の一つ一つが見え、我が体内を通り過ぎゆく。
色味は小道に敷かれた枯葉と、深く沈んだ墨色に近い緑。自然が創る絶妙なバランスの極美。
白銀色の空間にボーーとしながらも、ソンザイする欅の大木。
近ずくに従い、気の遠くなるような根気を持って、一本一本えがきだしたように欅の小枝が毛細血管のように見える。
ポイント的な主張もなく、ただただ漠とした空間。
私の最終目的の創作は、このような時空を超越した作品を産み出すことです。

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