棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

8月6日 白日夢

2018-08-06 09:38:00 | 山郷の暮し
18-8-6 広島原爆投下--平和記念
今日は広島原爆記念日。1945年と同じ月曜日だとニースでしりました。
同じような猛暑のなか、戦時下であえぐ人々を一瞬に地獄の業火に包んでしまった。
いまさら私がつたない言葉を綴っても虚しく、平和記念での阿部首相の挨拶と同じく実のない虚しさをんじます。

「8月6日 白日夢」F50
この作品は昨年に制作したもので、松本の町とアルプスが一望できる高台の畑地からのものです。
山梨から帰る中途のことで、今でもしっかり脳裏に焼きついています。
湧き上がる入道雲に雷がしきりと輝き、アルプス連山は黒雲に掻き消え集中豪雨が振り出す。
畑仕事をしていたご夫婦が雨風に押されるように帰路に着く。
思わず「すげーー。」と感じ、これは絵になると直感した。

当初は観た情景を描き出すことであったが、しだいに其れだけでは意図として満足ができなくなった。
そんなとき迎えたのが8月6日であった。
平和式典の中継を観ている内に閃いたのが、原爆投下をイメージした作品にすることであった。
雷雲のたれこめた黒雲は、原爆の黒い雲であり、最手前のヒマワリは、被災された人々を象徴した。
それで一応完成とした。


今年の春にこの作品をあらためて観ている内に、完成はしているのだがなにか物足りない。
高まる感情のまま描いてはいるが、体験者の描いた絵にトテモ及ばない。
ならば、もっとシュールにしようと、私の作品で時折登場する「分身」ともいえる少女を描き、構成を変える。
「8月6日白日夢」とした。
しかし、言うまでも無いが、原爆投下は現実のものであった。
被爆国である日本が核兵器禁止条約を批准せず、今日の首相挨拶にも触れることが無かった。 

ryusun

つぶやき

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子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本