棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

作品修正・母になる日F50

2017-10-15 12:09:26 | 山郷の暮し
4日前の11日は真夏のごとき馬鹿暑さでしたが、翌日から小雨降る寒い日が続いています。
柿のオレンジ色の実が目立ちだし、色ついた葉が散っていきます。
この柿の葉ほど多彩な色に変わるものも少なく、思わず魅入ってしまいます。
むかし、ずーーとむかしに精魂こめてこの柿の葉を写し取ったことがありました。

さて今回の投稿は10日ほど前の散歩時のときでした。
唐突に40年ほど前に描いた作品が思い浮かび『本人の顔に描き直せ・・・。』ささやきを得たのです。
ささやき と言っても声が聞こえてきたと言うほどでもなく、頭の中に響いたのです。
そんな現象は時おりあるので特に驚きもありませんでしたが、その作品はまざまざと目に浮かぶのでしたが、
問題は何処にあるのか思い浮かばない。

その作品は写真家の兄の嫁さんが始めての出産をひかえたころの様子を素直に描いたものです。
私の32-3歳ころで、改めてセザンヌやミレーなどを研究しながら描いたものでした。
「本人の顔に描き直せ」とは、義姉の顔ではなく当時付き合っていた女性の顔にしたのでした。
数箇所の展示会に出品したのち、その他の多くの作品とともにストック状態になってしまった。
それ故に何処に入ってしまったのかまったく記憶がない。


梱包されていると一層探しにくく、ソレを思うと「ささやき」をただちに実行することが出来ない。
それでもヤケに気になり、2日後にようやく見つけ出した。
少なくとも30年ぶりに観るわが作品で、「うまいじゃん!!。まじめに描いている。」とかんじ、
さて顔をご本人になおすとなると大変だ。
というのは、義姉はこの作品の8-9年後に3人の子を残し癌で亡くなってしまった。
それ故に子供たちはほとんど記憶にないであろう。

描き変えにあたり兄に写真を提供してもらう。
兄の写真モデルとして多くの写真はあるが、若くピカピカしたものばかり。
当然と言えるが、全て結婚する前のものばかりで私のイメージと少し異なる。
彼女が30歳ころの「母になる日」と言う題名で、悦びを秘めた顔であり、肖像画的な要素が必要になる。
さらに、今は30才過ぎた子供たちに残してやる「母親の姿」なのである。

長時間絵画は続けたわけではなく、翌日観た瞬間にイメージが違っていたらふき取ってしまう。
そんなことを数回繰り返すことになってしまった。


肖像画として成り立っているのか解らなくなってしまったが、この作品のイメージが今後、子供たちの母親像になることはたしかだ。
正直、彼らのイメージと異なっているのかもしれないと思ってしまう。何よりも夫であった兄貴だ。
まだ贈っていないが、作品としてはよいできだといえる。

ryusun

つぶやき

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