棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

9-東日本大震災を描く-原発爆発

2020-03-15 14:36:11 | 東日本大震災を描く-
東日本大震災を描くの大作は2011-3-11日の発生より、本絵の制作には数か月後であったことは記してきました。
それは「描いてよいテーマなのか」というジレンマがあったが、イメージはどんどんと膨らんでいった。

そんな中で「この怒り」をどのように表現したらいいのか定まらなかったのが、3-12日から起きた福島原発の爆発であった。



当日TY画面は遠望より撮影されたぼけた発電所の映像であった。
現実にどんなことがなされていたのか全く分からない。
そして12日午後3時半ごろ福島第一原発からもやもやと煙が上がる映像が・・。

それからである。次々と爆発し、日本中ばかりか世界が震撼するメルトダウン起き、9年たった今も帰還不能な地域ができてしまった。
天災である地震・津波は「備える」ことでしか対応ができないが、人災である原発事故は防げたはずだ。
放射能汚染被害は天災被害よりもはるかに大きいことを九年たった今も響いている。

最近のネットニュースで知ったことですが、私の大好きな台湾では「核食」なる言葉が広まっているようです。
放射能に汚染された福島産の食品に対して言っているようです。
説明はできないのですが、長い漢字を二語にしたもののようで、本来の意味合いと異なっているようですが、
いったん植え込まれてしまった悪いイメージを払拭することは難しい。
台湾の人たちを責める気わなく、われわれ日本人も風評にどっぷりつかってしまう。
 当時 いち早く義援金を送ってくれたのが台湾でした。
知性の問題ではなく、恐怖からくることである。

3年ほど前のことですが 東京に住む知人は放射能の心配のあまり計測器を購入した。
それを知った私は大笑いをしてしまったが「リュウさんは認識が甘すぎる」とたしなめられてしまった。
9年たった今も・・いやいやこれからも続く怖さが放射能です。

そうそう、作画について話しますと「観えない恐怖」をどのように表すか思考した。

30歳代から描いているシュール的な画面構成の作品に登場する「少女」がいます。
私の「純粋な心の目・子供の目・心の反映」なのて゜す。

見慣れぬ白い防護服の異様さと合わせることにより、シュールレアリスム的な世界が現実としてある現実。
意味不明な屁理屈ぼっいですが、放射能の脅威をこのように表したのです。
作画では一番練りに練ったものです。
世界からの善意に満ちた人間愛と相反した、人災の悪夢を描いたものです。

マッタクの蛇足ですが、ただ今のコロナウイルス騒動で、この異様な姿が見慣れてきた。



8-東日本大震災を描く--慈母観音

2020-03-13 18:12:29 | 東日本大震災を描く-
平成天皇・現 皇后ご夫妻が被災地を訪れ、疲弊しきった人々を見舞われました。
テレビからの映像ですが人々は勇気づけられ希望が湧いてきたと、心から感謝をささげていました。

私は「天皇陛下万歳」と身も心も捧げるものではありませんが、間違いなく日本人の心に宿っている敬愛・尊崇の念は否定ません。
正直 私も年を得て「日本人の心の柱」を感じるようになりました。 
亡くなられた人々の供養と心の柱を慈母観音として表しました。

この絵こそ私だけが描ける「東日本大震災を描く」テーマと言えます。

 


7-東日本大震災を描く-救助

2020-03-12 16:29:43 | 東日本大震災を描く-
 
制作にあたっては新聞や写真などを参考にして描いた。
現地を訪れ、直接見たものではなく全て想像だ。
しかし、被害者の悲痛ともいえる言葉や文章が作図の根底となっている。

テレビ映像は全体像を掴むのに役に立ったが、新聞報道は感情を読み取ることができた。
いまも大切に保管をしている。

制作中、描き入れたい一人一人の声が聞こえてきたり、まるで知り合いかのような奇妙な錯覚に陥ったりした。
永い創作生活でこのようなことは初めてで、精神的に不安定になってしまった。

延期にはなったが、久しぶりにこの作品を観れば芸術的にうんちく言うよりも、獲りつかれて描いたようなナニカがある。

6-東日本大震災を描く-救助・救援

2020-03-11 18:24:30 | 東日本大震災を描く-
9年前のこの日は今日のように暖かく、夕方の散歩は少し早めにスタートし、一時間ほどのフルコースだった。
確か山際の田んぼ道で「オヤ・地震かな」と感じた。
普段はテレビを視聴する時間帯ではないが気になりスイッチオン。
もーーそれから画面に釘付けになってしまった。

「東日本大震災」テーマに制作をする気持ちはなかったのであるが、
その後の報道に触発されたのか、体内の奥から湧き上がってくるナニカに私自身がほんろうされた。

湧き上がる感情のままにのクロッキーが何枚もたまった。
そして描き上げたことは今までに何度も書きました。

今回の画面は「助け合い・救助する人々」だ。
説明は無用であろう。
 






ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本