黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

画家 「和田三造」を知る

2021-10-22 | 日記
 今回、福岡市美術館の「近代美術室A」の展示に
 和田三造≪博多繁昌の図≫を初めて見た。

 解説によると福岡市ゆかりの画家とある。

 会場は、この≪博多繁昌の図≫ができあがるまでの(習作)20枚が
 展示され 完成作品(282.3×250.3㎝)がこれだ!


             
 この作品は、福岡市ゆかりの画家「和田三造」が1958年に発表したもの。

 初めて見ました。 凄い作品です。
    ひとり一人の「動き」が実に丁寧に描かれています。

手元の解説資料をそのまま引用します。
《 江戸時代初期に商業都市として賑わう博多の街を舞台に、南蛮船の来航や町人と南蛮人の交流が描かれています。上空から見上げるような構図で隅々まで細かな描写が施された画面には、色彩学や染色工芸など多様な表現手法に関心を持っている和田ならではの特色が見られます。》

 この完成図とは別に展示された「習作」の一部が紹介され「本画」との
関係から、制作のプロセスを見ることができました。


           習作(紙)。(一部分)      
     

           油彩画布のもの。
         


  和田三造は1883年兵庫県生まれ。
       1896年に一家をあげて福岡市に転居。
       現・修悠館高等学校入学。
       1901年東京美術学校西洋画科入学。
       1907年文部省美術展覧会(文展)に出品作
        《南風》が最高賞を受賞。

   そうなんです、 私が知っていたのは、この《南風》の絵。
  とても印象的な1枚だと~ 画家の詳しいことは全くしらないまま。
  ましておや、和田三造の画壇における数々の功績など…
   その程度でしたが、今回、この会場で本人のこと改めて知ることに。

   会場には展示されていませんでしたが 
 作品《南風》
                          *東京近代美術館蔵   
   この絵なら、美術愛好家なら一度はご覧になっているとは思いますが…



     1909年 文部省より美術留学生として海外に派遣され、
          洋画を学び、フランスを中心としてヨーロッパ
         各国を巡歴、工芸図案の研究に従事する。
         留学の帰途、美術工芸の目的でジャワ、ミャンマー
         インド等に滞在。
     1923年 この頃から本格的に日本画の制作に取り組む。
     1945年 空襲のにより自宅全焼。留学中の作品を含む
         100余点を焼失。
     1952年 《博多繁昌の図》 製作開始
     1958年  完成。 文化功労者の表彰を受ける。
     1967年  84歳で死亡。
     1992年  五代太田清蔵が《博多繁昌の図》他
           和田作品約150点を福岡市美術館に寄贈。
     1993年 「和田三造=大宰府と博多」福岡市美術館にて開催
                           (*解説より抜粋引用)

  この作品展から帰り、「和田三造」作品について資料を検索
 実に幅広い活躍をしていました。

 全貌を知るには、今後の福岡市美術館および全国の美術館が所蔵
している多くの作品が一堂に集まるような大型の企画でもない限りとても
願いが叶う訳にはいかない‥‥。

 そこで、少しでも追いかけてみようと~
彼の作品群の中から私流に抜粋してみました。

 洒脱な画風あり、重厚で熱っぽい作品、上品で細やかな日本画も
こんなに、幅の広い画家も‥‥なかなかですね。

 機会を見つけ、美術館巡りの中に、この画家に絞って~
 足を向けてみたい衝動に駆られました。

   東京・関東なら…国立近代美術館、現代美術館、出光美術館、
           アーティゾン美術館、ポーラ美術館等に。
        

 それでは 和田三造の作品をご紹介します。
                   (一部資料収集の際に修正してあります。)
 
          

    とても興味深い絵 「昭和職業絵尽」と題して、庶民の生活風景を
 数多く描いています。 その中から一部を。
    
   「金魚屋」 
   懐かしい風景ですね…今では、お祭りの夜店に出店? くらい。
      
 
    「風呂屋」
   もう街中には、お風呂屋さん、(銭湯)の煙突の姿も…
    着ているものにも 昭和の面影が~

 
 日本画で「雨の墨田川」
     夕闇迫る頃でしょうか…
   


              大島を望む

        
   
    「軍鶏」
   
   さらっとした筆使いに軍鶏の動きが感じられ、鋭さも。


 
  多彩な彼の腕は~「土」も熟しています。
   白い花(瀬戸焼)



 色彩の研究の成果? 

 1953年日本映画でアカデミー賞をもらった 大映映画「地獄門」
  (監督衣笠貞之助) 主演 長谷川一夫 京マチ子
 この映画の色彩指導と衣装デザインを担当。
  翌年、アカデミー賞最優秀外国語映画賞および衣装デザイン賞受賞

           
  
  「油彩画」は重厚でエネルギッシュ
        筆の感触が柔らかで…ほっとする画面。

        画面の「光」が素晴らしい!
    
        人間の自然な動作が 素直に受け止められますね。

    「新聞を読む男」   

  「裸婦」
   

  風景(パリ)
   
   

 「少女」


 「休息する踊り子」

 

 「婦人像」



 如何でしたか?
   とても いい感じでしょ。
 世の中には、まだまだ 著名なアーティストは星の数ほど?
 私の勉強には 終わりがなさそうです‥‥


 今回のコロナ明けの博多のひととき
 実に爽快な気分で過ごすことができました。
 収穫も盛りだくさん。
 来週からは、「飲み屋」も時間制限なし!

 実に長い間の「我慢」を、アートで気分和らいだからね

 来週は 実弾で吹っ飛ばすぞ! 「居酒屋」談義だね。

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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。