徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

映画「ローン・レンジャー」―西部開拓時代のテキサスの大地に燃え上がる冒険活劇―

2013-08-07 11:30:00 | 映画


 暦の上では早くも立秋だというのに、降るような蝉しぐれ、そして朝から猛暑である。
 この暑さを吹き飛ばすような、王道エンターテインメントの登場だ。
 とにかく、面白さ爆裂!だ。

 「パオレーツ・オブ・カリビアン」三部作で世界中を席巻した、ゴア・ヴァービンスキー監督アメリカ映画だ。
 1930年代にはラジオドラマとして、また1949年には、全211話という驚異的なでテレビドラマがブームとなり、日本でも1958年から6年間放送された。
 この頃が、空前の外国ドラマ全盛時代だったと思われる。

 当時黒いマスクをつけたローン・レンジャーは、子供たちの憧れの的であり、人気は社会現象化した。
 そして今ここに、聖なるヒーローと悪霊ハンターの善悪入り乱れての、新しい娯楽大作として甦った。
 とことんたくさんのお話で観るスーパーアクションが、観客の目をくぎ付けにせずにはおかない。
 恐らく、この夏一番のA級娯楽映画ではないだろうか。
      
少年時代のある忌まわしい事件のせいで、復讐に燃える戦士となった悪霊ハンター、トント(ジョニー・デップ)は、不思議な白馬シルバーの導きと自らの聖なる力によって、瀕死の検事ジョン・リード(アーミー・ハマー)を蘇らせる。
レンジャー部隊の英雄である兄ダン(ジェームズ・バッジ・デール)を、何者かに殺されたジョンは、兄の敵を探すためにトントと手を組む。
若き検事ジョン・リードが、黒いマスクをして正義の味方ローン・レンジャーとなり、頭にカラスの飾りをつけた先住民トントがその従者となる。
だが、法に基づく正義の執行にこだわる彼と、復讐のためには手段を択ばないトントとは、全くかみ合うことのないコンビだった。

1933年のサンフランシスコで、ひとりの少年が、遊園地のアメリカ開拓時代の展示室で、頭にカラスを乗せた老人の異様な迫力にひきつけられる。
はじめ人形だと思ったそれは、実はトントだったのだ。
ここから、60年以上もさかのぼった1869年から、この物語は幕を開ける。
そして、大陸横断鉄道の建設、銀の採掘、弟ジョンの兄嫁レベッカ・リード(ルース・ウィルソン)によせるレンジャーのひそかな愛など、波乱がいっぱいだ。
ドラマは、様々な謎めいた断片がつながり合って綴られ、異なる信念を持ちながらも、同じ目的を持つジョンとトントの間には、奇妙な友情さえ生まれ始める・・・。

ジョニー・デップのカリスマ的な存在感には、やはり一目置かざるを得ない。
彼の曾祖母が先住民族だったというから、独特の個性が発揮されていて面白い。
今回の作品「ローン・レンジャー」は、最新作ならでのビッグスケールと、新解釈を目いっぱいに詰め込んで、最後まで観客を飽きさせない。

鉄道も機関車もすべてが本物で、徹底してリアルを追求した、ダイナミックなお膳立ては見事である。
映画の冒頭と後半のクライマックスで、観客の度肝を抜くのは、その暴走する列車を駆使した、列車そのものによる派手なアクションシーンだ。
何と、そのために、19世紀のアメリカの機関車を、二台もフルサイズで作ってしまったのだ!
実際に、時速64キロの速度で走る列車の屋根の上で、ジョニー・デップアーミー・ハマーとともに走るというスタントまで、自ら演じてしまった。
脱線した列車が、ローン・レンジャーとトントに向かって猛スピードで突進してくるショットも、リアルなセットで撮影されたものだそうで、空中に飛び跳ねる機関車の壮絶さは、二つの列車があたかも決闘しているかのような、強烈な印象を与える。

物語の背景にはアメリカ西部の大自然があり、この壮大なアドベンチャーは、極力CGを排除した作りが何とも超リアルである。
衣装といい、メイクといい、小道具といい、2013年版「ローン・レンジャー」は、総勢274人もの美術チームで西部の町をつくり、圧巻の大陸横断鉄道を走らせ、何から何まで最新の西部劇大作の趣きだ。
ゴア・ヴァービンスキー監督アメリカ映画「ローン・レンジャー」は、この夏の暑さを吹き飛ばすような、壮快無比、文句なしに楽しめる、久々の娯楽超大作といってよい。
大人も子供も、手に汗握る、息をもつかせぬ2時間30分である。
百聞は一見にしかず、是非ご覧になっていただきたい。
     [JULIENの評価・・・★★★★☆](★五つが最高点


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2 コメント

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はいよーシルバー (茶柱)
2013-08-07 22:23:25
でしたっけ。子供の頃にそんなのがはやったのですが。
内容なんて全く覚えていないんですけどね。
まあ,こう暑いとすかっとした娯楽映画が良いですねー。
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しかと・・・ (Julien)
2013-08-09 20:30:33
記憶があるわけではないのですが、そんな作品が流行ったことがあったようです。
時代は変わっても、こういう作品は、いろいろと形を変えてリメイクされてくるもののようです。
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