徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

暮らしの重さずっしりと―ついに消費税増税法案成立―

2012-08-11 20:15:00 | 雑感

あれほど喧しかった、「ゾウゼイ、ゾウゼイ」の声は、すっかり鳴りを潜めてしまったようである。
様々な課題を残したまま、増税法案は成立した。
そう、国民の目から隠れた密室で、与野党三党談合の末に・・・。
増税論争で国民世論は二分され、国民生活より国家優先というわけだ。
そうなのだ。
国民生活など、二の次、三の次といった、可笑しな政治の世界には呆れるばかりだ。
こんな田舎芝居に、誰も腹を立てないのだろうか。

内閣不信任案など、野党の自民党は、最初から提出する気などなかったのだ。
三党談合体制には、どうにも納得がいかない。
衆議院解散を迫りながら、その時期を「近い将来に」と言った民主の提案を蹴っておきながら、自公民の三党首会談では「近いうちに」で合意した。
どちらも、同じような意味ではないか。
受け止めた言葉を「重い言葉だ」と言いながら、意味不明な釈明に思わず首をかしげたくなる。
政治家(政治屋)は、日本語を知らないのか

デフレ下での増税は、とにかくまともではない。
こういうときの消費増税は、間違いなく、景気には大いにマイナスだ。
国民の大多数の反対まで押し切って、野田内閣はそれを強行した。
2014年4月から、段階的に最終的には10%まで引き上げられる。
当然、政府は税収増を見込んでいるから、一部が公共事業へ転用される恐れありだ。
つまり、政権交代で止まっていた大型公共事業が、また相次いで復活するのだ。
民主、自民、公明の三党は、公共事業を増やせと、手ぐすね引いて待っている。
何ということだ。冗談ではない。

政府は、二言目には社会保障の充実のためというが、その道筋は見えてこない。
結局13.5兆円という大増税が、ひたすら私たちの暮らしに重くのしかかってくるだけだ。
そして、家庭や企業、地域に、怒涛のように押し寄せてくることになる。
主婦を中心としたアンケート調査によると、消費税増税について96%の人が生活に大きな影響があると答え、社会保障が充実し安心して生活できると答えた人は、4%に過ぎなかった。
それほど多くの国民が、この法案の成立を歓迎していないのだ。
あくまでも、NO!だったのだ。
家庭はいつだって節約に努めているのに、さらに負担が増え、家計のやりくりは一段と厳しさを増すことになる。

暮らしの負担は、どれほどのものになるのか。
かりに年収500万円の家庭では、年間約33万円の負担増になるはずだ。
高所得者はまだいいが、所得の低い家ほど家計への負担は大きい。
大企業はほとんど影響を受けないからいい気なものだが、中小企業では軒並み倒産が増える。
それこそ壊滅的な打撃を受けることになるし、すでにもう一部では増税前から壊滅状態になっている。
死活問題なのだ。
三党合意など、自分たちの私利私欲、党利党略のご都合主義で、いつも国民は不在だ。
そんな中で、平然と行われる永田町の茶番劇が、日本という国を間違いなく蝕んでいく・・・。
だから、有識者たちまでが、消費税増税法案は天下の悪法だとまで言っている。
時がたち、歴史が、おそらくそのことを証明してくれるのではないか。

不景気な時の増税は、必ずや消費の低迷を招く。
仕事や職場、会社まで、消滅の危機をはらんでいる。
そんなことは、全くの杞憂だなんて言っていられなくなるのだ。
いま、大増税ありきということだが、どういうことかよく考えてみないといけない。
おそらく、この日本の政治は、戦後最大の危機に直面している。
消費税率の引き上げについては、まだ先のことだけれども、その時の政権が判断することになっている。
増税反対の政党が、与党として、増税を阻止することがあるかも知れない。
まあいずれにしたって、一日も早く、こんな先行き不透明な政治状況からは、脱却してほしいものだ。
衆議院解散の日は、そう遠くはない・・・。
次なる政権は、民主、自民、公明の連立政権だとの声もあるが、とんでもない話だ。
政治を、国民の手に取り戻さなくてはいけない。