徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

菅首相の独断会見―居座り続ける希代の暗君―

2011-07-17 11:00:00 | 雑感

毎日暑い日が続いて、本格的な夏の訪れだ。
東日本大震災の被災地は、いまなお不自由な生活を強いられていて、復旧復興の道はまだなお遠く・・・。
この非常事態に、政治が全くといってよいほど機能していない。
永田町の混迷は、ますます深まる一方だ。

辞めると言いながら、一向にその気配が見えない。
菅首相は、いったい何を考えているのだろうか。
このところずっと、「ぶらさがり」からも、マスコミの取材からも逃げ回っていた首相が、脱原発をアピールする緊急記者会見を行った。
ところが、公式の場で表明した会見の中身は、政府の見解ではなく、自身の思いを述べたに過ぎないといって釈明したというから、あきれる。
おそらくは、当初の思い付きで、周囲には何の根回しもないのに、公式の政府見解としたかったのではないか。
そこへ、閣内から不協和音の大合唱が起きてしまったものだから、これは当然だ。
一国の首相の発言の重みが、この人にはわかっていないのか。
自分の、単なる思いだけで記者会見までやるものか。
そんな会見は、時間の無駄だ。

菅首相のこれまでの発言は、ことごとくこんな調子で、何かあれば言い訳に終始し、詭弁を弄しているに過ぎない。
しかも、確かな展望や論拠があるわけではなく、場当たり的だから、始末に負えない。
首相の姑息なやり方が、与党野党の苛立ちを呼び、一日も早く退陣をということになる。
こういう人が、私利私欲のために、総理の座に居座り続けること自体、まことに奇怪きわまる異常事態なのだ。

だからといって、執行部や閣僚の面々までが、公然と首相批判を繰り返すばかりで、菅首相を総理の座から引きずり下ろすこともできないでいる。
何という情けなさか。
何という政権の体たらくか。
岡田幹事長は、「やるやる詐欺幹事長」の異名があるそうで、この人をもってしても、政権にしがみつく菅首相を辞めさせることができない。
この人、菅首相が辞めない時には自分が身を処するとまで言い切った人だ。
一方で辞任を迫りながら、首相批判だけを延々と繰り返している。
経産相、財務相、官房長官、国対委員長しかりだ。
誰も、本気で政権を辞めさせる気などないのだ。
それでいて、いまの地位に自分たちが居座りたいわけで、お互いに黙認し合っていて、これも延命のためでしかない。
いずれ辞めるだろうという首相に、本気でついていく人間などいないものだ。

延命だけが目的のような政権だから、何でもありで、なりふりなどかまっていられないのだ。
この深刻な事態に、奇矯な集団がやろうとする政治で、この国は、果たして再生できるのだろうか。
内閣支持率が10%台まで落ち込んで、いまや誰もこの内閣を信用していないし、期待もしていない。
与党も野党も、政治家(政治屋)は本当に頼りにならない。
恐るべき体たらくの、堕落集団となってしまったのか。

東日本大震災の被災地はどうなるのか。
何だか、そっちのけにされているような気さえする。
被災地では、がれきを乗り越えて復旧を目ざし、まだまだ収束のめどすら立たない福島原発では、放射能を浴びながら一致団結して頑張っているのに、国権の最高機関の国会議員は、党利党略むきだしで不毛の争いを続けている。
国民は全く無視されている。
他国では、こんな状態が続けばテロや暴動が起き、収まりがつかなくなるだろう。
そうなれば、最高責任者たるものは、間違いなく辞任に追い込まれる。

それなのにどうだろう。
この国の最高責任者は、夜ごと高級飲食店で家族ぐるみ、親しい(?)側近だけを連れて、贅沢なディナーににんまりと舌づつみを打っていると、もっぱらの噂である。
国民にはどう映るだろうか。
大体、会食といえば夫人同伴で、この国難の時代にわが世の春を謳歌するなど、権力の頂点に立つとこうも人は変わるものか。
菅首相には、いつも夫人が指南役だというが、古来政治に女が顔を出すとろくなことはないようで・・・。
折しも、ドイツで開催されているサッカー女子ワールドカップ決勝、日本―米国戦(日本時間18日未明)に、菅首相が政府専用機を使って応援に乗りこむことを検討していたそうだ。
東日本大震災の復興が遅々として進んでいないのに、数千万という巨額の経費を使って、サッカー観戦など世論を逆なでする行為に待ったがかかり、これはさすがに断念したらしい。
それは、当然というものだ。

福島原発に発した放射能汚染も広がる一方で、とどまるところを知らない。
ここへきて、いままた、三浦半島を震源域とする大地震の予兆まであると言われている。
不安は募るばかりだ。
政治が当てにならない今、未曾有の国難をどうやって乗り越えていくか、国民の叡智が求められている。
国家のために、自分の身を投じる覚悟がなければ、本当の政治家とは言えない。
いま、そんな人がいるだろうか。
狂人のような、ハチャメチャな内閣は、一刻も早く終わらせなくてはいけない。
希代の暗君には、早々に退陣してもらいたい。
日本が、悲しみの国でなくなるために・・・。