徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

つれづれ談義―筆のすさびの、あれこれ―

2009-05-28 17:00:00 | 雑感

  1955年製作の、日本映画「浮雲」を観る。
フィルム状態により、一部見苦しいところもあったが、巨匠・成瀬巳喜男の代表作だ。
原作は林芙美子で、「めし」「稲妻」「妻」「晩菊」と続く作品群とともに、世界映画史にまで名を残す名作だ。
水木洋子の脚本もいい。
起伏の激しい物語の展開だが、成瀬監督の冷徹な対象凝視の姿勢が一貫していることを、うかがい知ることができる。
高峰秀子、森雅之、岡田茉莉子ら、なかには今は故人となった俳優も名を連ねていて、半世紀以上も経たいまでも、その細やかな描写は、さすがに名匠ならではのものです。
小津安二郎が、「俺にもできないシャシンは、溝口の『祇園の姉妹』と成瀬の『浮雲』だ」と言った話はあまりにも有名だ。


  ドキュメンタリー映画「雨が舞う~金瓜石残照」(林雅行監督)もよかった。
かつて、東洋一の金鉱と言われた台湾北部の金瓜石・・・。
日本の植民地でもあった、1930年代の全盛期をしのぶ作品だ。
1987年に閉山したが、そこで生きた日本人と台湾人の哀しみがあったのだった。
川のせせらぎ、風の音、鳥や虫の鳴き声、そしてこの地をかつて通り過ぎた人々の声が聞こえる。
文部科学省選定の名編は、まるでニュースフィルムを見るようであった。


  第62回カンヌ国際映画祭では、コンペテイション部門で、シャルロット・ゲンズブールが最優秀女優賞を受賞した。
パルムドール(最高賞)には、ミヒャエル・ハネケ監督のオーストリアの白黒映画「白いリボン」が選ばれた。
期待された、菊地凛子主演のスペイン映画「マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トウキョウ」は、技術賞を受賞したが、主要な賞は逃した。
まあ、いつかこの二本の映画が日本で公開されるときは、是非観たい。


  ノーベル賞経済学者で、プリンストン大学のクルーグマン教授が、日本政府の定額給付金を採点すると0点だと、吐き捨てるように語った。
こんなものを日本が実施することが理解できないとし、アメリカや他国ではほとんど貯金にまわり、使われていないそうだ。
また、省エネ家電への買い換え優遇のエコポイントなる制度についても、よく解らないと言って切り捨てた。
日本の経済政策が、嘲笑を買っている。
恥ずかしい話だ。


  日本郵政の、西川社長のかんぽの宿の疑惑を理由に、鳩山総務相が怒りを爆発させている。
辞任を迫る勢いだが、西川社長をかばい、続投圧力をかける小泉一派に揺れている麻生総理の構図だ。
このトップ人事、どう決着するのだろうか。
それによって、政局は大きく動きそうだ。
鳩山総務相は、辞任覚悟で正義の剣を振り下ろしそうな気配だ。
結果如何では、西川問題がこじれると、麻生政権は持たないかもしれない。


  さいたま市長選で、自公推薦の現職が大敗し、民主推薦の47歳の新人が、何と6万票近い差をつけて当選した。
名古屋に続いて、民主党は、鳩山新体制発足後二連勝だ。
益々勢いづいて、自民党はショックだ。
景気対策だ、やれサミットだと、ダラダラと解散、総選挙を引き延ばしているが、国民の怒りが最高潮に達している証ではないか。
政権交代が、現実化してきた。
党首討論も、麻生総理は同じことの繰り返しで肝心のことに答えていないし、時間が勿体無い。
しかも、この期に及んで内閣改造で解散引き伸ばし、などという噂も永田町を駆け巡っているらしい。
いよいよ、自民党も末期的な症状か。


  漢検協会の背任事件、容疑者の前理事長父子がデタラメ私物化で逮捕された。
その大久保ファミリー企業で、実際に働いていない、前理事長の娘まで、毎年600万円の役員報酬を払っていたそうだ。
無茶苦茶ではないか。
何もしていないのに、ひどすぎる話だ。


  韓国の盧武鉉前大統領の自殺は、衝撃的だった。
韓国の政治的報復の凄まじさが、透けて見える。
確かに、大統領が潔白だったなどとは思わない。
でも、時の権力者が、検察という捜査権をほしいままにすれば、何でも出来ないことはない。
過去、韓国の大統領は、政治報復の歴史を重ねてきている。
検察当局は、前大統領のみならず、夫人、息子、娘、実兄、親戚と、魔女狩りのように、大統領周辺を攻め立てたようだ。
一方的に検察情報を流し、どこかの国でも同じようなことが起きてはいませんか。
権力と検察、マスコミが組んだとき、その恐怖はどんなに増幅されることか。
対岸の出来事だからと言って、安心してはいられない気持ちになる・・・。


  前代未聞の大掛かりな法要が、国立競技場で行われるそうだ。
その名も「石原裕次郎二十三回忌」だそうで・・・。
・・・法要の当日は、競技場に総持寺風の建物をしつらえ、ご本尊の釈迦如来像を‘出張’させるのだそうだ。
集まるのは20万人ともいわれ、その費用たるや総額5億円、5万人に抽選で記念品に贈られる芋焼酎についての問い合わせが、放送局やプロダクションに殺到しているといいます。
テレビ、音楽業界もこれに便乗するというから、スゴい!
そういえば、石原裕次郎のパチンコ機が登場するそうだ。
その名も、いまなお「嵐を呼ぶ男」とは・・・。
いやいや、恐れ入りました・・・。