徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

映画「眉山」ーいま明かされる母の真実ー

2008-03-01 18:00:00 | 映画

まことにおそまきながら、去年公開の映画、「眉山」の話・・・。
シンガーソングライターさだまさしが、長い間見つめてきた楽曲や、小説で描いてきた故郷への熱い思い、親子の絆という、人間の普遍的なテーマが根底に流れている。

眉山と言えば、徳島・・・。徳島と言えば、毎年8月の阿波踊りである。
眉山も、阿波踊りも、残念ながら本物は見たことがない。
この作品では、14000人ものエキストラが集合し、本物さながらの阿波踊りのシーンを、スクリーンに再現して見せた。
まさに、本場の熱気をスクリーンで体現する・・・。

犬童一心監督のこの映画は、「北の国から」のテーマ曲など、国民的なスタンダードナンバーを数多く生み出し続けてきた、さだまさしが書き下ろした、10万部を超えるベストセラー小説が原作である。

東京の旅行代理店で働く主人公咲子(松嶋菜々子)が、病に倒れた母を看病するため徳島に帰郷する。
正義感に強く、情に厚い母龍子(宮本信子)は、自分が亡くなったら、献体(医大生の解剖実習のために自分の遺体を提供すること)をすることも、一人娘の咲子に何ひとつ相談しないで決断してきた。

咲子は、担当医から、母が末期がんだと知らされ、愕然とする。
残された時間は僅かだった・・・。

その母に、咲子のいまだ知らない、過去の秘密があった。
咲子は、会ったことのない父は実は生きていて、そこには、父と母の切なく苦しい真実の恋のあったことを知ることになる。
母の死の時が近づいて、咲子は、母と父が果たせなかった大きな願いをかなえるため、病床の龍子を阿波踊りへと連れ出すことにするのだった。

・・・娘だから聞けなかった。
母だから言えなかった。
そして、今、私は母の想いにたどり着く・・・。

やがて解き明かされてゆく、秘められた過去・・・。
咲子が、三十二年間も封印されていた、母の想いにやっとたどり着いて、本当に大切なもの・・・、家族、恋人、そして故郷を愛しく思えた時・・・。
徳島の街が、熱狂の渦となる阿波踊りの夜に、温かな、感動の奇跡が起こる・・・。

この映画「眉山」 http://bizan-movie.jp/index.html )は、さだまさしの原作に負うところが大きい。
宮本信子の見せる、感情を揺さぶる演技が特に光っている。
この作品、見た人は多いのではないだろうか。