足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ブラック・マンディ25周年・・・世界は大きく変化した

2015-10-20 06:30:03 | 投資戦略
25年前、NYダウ平均は1日で23%急落し”ブラック・マンディ”が出現、世界の投資家を震撼させた。現在、活躍している50代前後の人気ヘッジファンドの運用者たちは、まだ実業に手を染めていないときで、自分の将来を模索して学業に専念していた。
当時の米国初の株式相場の暴落は瞬時に世界に拡大し1929年の大恐慌の口火になった1929年の再来の不安感を思わせた。
しかし大恐慌の再来はなく、政策当局の対応とグリーンスパン議長が率いる米連銀の金融政策で金融市場の不安を短時に乗り切った。
その後、25年を経た世界は中国をはじめ新興諸国が台頭し、アジア経済の世界に占める比率が50%にも迫る勢いで成長を続け多様化してきた。
ブラック・マンディの教訓はその後の世界の投資家の資金運用にも生かされてきた。

昨日のNY株は底堅さをみせた。
今週の米バロンズ誌が大小の機関投資家、ヘッジファンドなど138社を対象にした年2回の相場見通しアンケート調査では、 本年春の調査に比べ強気筋が増えてきた。しかしその強気も楽観的というよりも、8~9月の相場の暴落を経験したあとの、「注意深い強気」という表現が正しい。相場のモメンタム(きっかけ)をつくる主役のヘッジファンドは、夏場の急落をみてロング・ポジションを大きく落とし、先行きに警戒感を強めた。懸念したのは中国発の景気鈍化、ウクライナ問題、ギリシアのユーロ圏からの離脱―などであったが、夏相場の波乱の要因になった悪材料は当事者の努力もあって峠を越えた。

いまひとつ相場の不透明要因であった米連銀のゼロ金利からの脱却も来年初めという見方で落ち着き、相場はそれを織り込みはじめた。
NY株の押し目買いの人気が定着してきたことは相場をみるうえでは好材料である。

問題は東京市場である。
株価の戻りはNY株に比べ鈍く、スピード感では半分である。理由は円高懸念と日銀の政策への失望感である。市場が期待する追加の緩和策はこれまで不発であった。黒田総裁の後を追いかけたユーロ圏のドラギ総裁によるは第2の量的緩和の発動の可能性が高まる。外人投資家は黒田総裁がみせた2013年の果敢な政策発動に期待する。東京市場の回復がNY株に出遅れた分を埋める大きなカギである。



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