足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ソロスの後を追う第2世代

2019-04-24 14:36:15 | 投資戦略
米国でのヘッジファンドの歴史は古いが、現在のような人気商品に育てたのはジョージ・ソロス(カンタム・ファンド)、ジュリアン・ロバートソン(タイガー・ファンド)であった。その年代の運用者たちを第1世代と呼ぶなら、現在は第2世代にはいり規模も桁違いに大きくなった。
運用資産が1~2億ドルという規模は普通で、ひとつの運用会社の規模が10億ドルという会社も出てきた。
第2世代の人気ファンドの運用者ビル・アックマン(パーシング・スクエア)が最近、ウォール街で注目を集めている。
出身はハーバード・ビジネススクールで、この大学は、これまで注目されるヘッジファンドの運用者たちを送りだしてきた。
最近、アックマンはニューヨークで開催されたヘッジファンドの講演会で壇上に立った。
ファンドは15年の歴史をもつ。
運用資産は2015年に200億ドル(2兆2000億円)を記録した
しかし4年前に特定の銘柄に集中投資し、経営者に株主優遇をつき突けるアクティビスト運用にに手を染め、運用成績が落ち込み、投資家の資金引き上げと成績の低下に直面した。
集中投資の銘柄はハーバーライフ・・ニュートリション(HLF),ボウシュ・ヘルス(VRX)などである。企業買収ファンドの類の運用である。

アクティビスト行動であったが、すでに株価は割高の水準に買われており、アックマンの買いに、アクティビスト活動で実績のある運用者が売り向い株価は思ったようには動かなかった。なかにはジョージ・ソロスの売りも目立った。
結果は株価の上昇は期待できずアックマンの行動は失敗に終わった。
アックマンは投資した銘柄の下落に直面して、結果は不成功のまま終わった。

この失敗に目が冷め、アクティビスト活動から手を引き、最近は本来のヘッジファンド運用に復帰、2019年は年初来+40%の成果を上げた。
この種の「間違いと知ったら手を引く」と言うソロスの成功談を実践したのは見事であった。

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