足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

気になるソロスの弱気

2016-08-09 06:51:34 | 投資戦略
NY株は先週の史上最高値を受けて始まったが、この日は一服。特に悪材料が出たわけでなく、足元の企業業績は回復基調。
第2四半期(1~6月)の企業の利益は当初-5.2%とみられていたが、現在では-2.3%と減益率が縮小してきた。雇用統計の好調、自社株買いもあって第3四半期は連続減益基調から脱出する可能性が高まってきた。

市場の明るいスポットであった医薬品株が昨日は軟調。先週末、がん関連の大手であるブリストル・マイヤーズ(BMY)が売られ、この日も下落し2日間で20%の急落になった。小野薬品から導出されたがん治療薬「オプジボー」の薬効拡大の第3相試験で当局の認可が得られなかったのが理由。アナリストの格下げが目立った。日本でも大手証券の格下げが出た。昨日は小野薬品もコメントを出した。発売予定の公表数字は変えないというもの。
野村證券は目標値を6,200円から3,800円まで引き下げた。薬品株の代表的な銘柄であっただけに、影響度は大きかった。しかしこれで成長性が無くなったわけでなく、「オプジーボ」の有効性はこれから他の病気へと横に広がる。押し目は買いである。
ウォール街ではライバルのメルク(MRK)に人気が移行し上昇し、アナリストが一斉に「買い」推奨をはじめた。「オプジボー」の競合薬品のメーカーである。

昨日は日本新薬が第1四半期の決算を発表した。売上は+23.3%と久しぶりの20%台の成長率になった。成長力が顕在化し始めた。
株式分割を期待したい。株価は小野薬品を大きく上回った。

ヘルスケア関連の人気が挫折するわけでなく、市場で次のスター探しが始まっている。業界は米国の技術革新の原動力だけに、次の人気のリード役がかならず輩出する。

ウォール街では気にされているのが債券市場でのバフェットといわれるビル・グロス(ジャヌス・キャピタル)、ガンドラック(ダブルライン)、それにソロスと僚友ドラッケンミラーが相場の先行きに弱気なことだ。いずれも最先端での実践家だけに無視できない。彼らは6月の英国のEU離脱以来、弱気を通してきた。


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