ウォール街では注目の2材料にはまずまずの反応をした。
中間選挙では事前の予想通り共和党が躍進し、オバマ大統領の景気対策に失望感を突きつけた。
連銀の量的緩和は事前の予想の5000億ドル~1兆ドルの数字のうち下限に近い6000億ドルという市場からの証券の買い付け額(来年6月まで)で決着した。市場の反応は「サプライスと失望感の開きが小さい」と戸惑った様子で、バーナンキ議長の決断の妙が効果を収めた感じ。事前には「今回の材料で目先、材料は出尽くし」という見方もあっただけに、投資家としては好感のもてる連銀の判断である。
FOMC声明文には「生産と雇用の回復の足取りが鈍化」という見方が示された。
相場の関心は今週金曜日の10月の雇用統計に移った。
とにかく忙しい相場環境である。
円相場は対ドルで下落した。量的金融緩和策の内容がまずまずであったことに反応した。仮に米国の金融政策の額が1兆ドルであれば円高にふれたはずである。
東京市場は足元の企業業績の方に関心が移る。景気の回復を反映した中間決算であるが、日本でも米国と同じように9月ごろからの景気の回復の鈍化がみられて、経営者は先行きに警戒をゆるめない。しかしこれまでの合理化の効果が出て、一時的な停滞で済めば、先行きの経営の方向性には自信をもつ。これまでの景気循環ではみられない新興国の景気の好調という追い風に期待を寄せる。
日本でも企業が100兆円という豊かな手元流動性を、自社株買いに回し始めたことは注目できる点だ。