足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

円相場が82円台

2012-03-10 09:11:47 | 株式

日本の震災から1年、米国株の底入れから3年が経過した。

株価の戻りは時間軸の感覚では「長い」と感じたが、震災後の時間の経過は「早い」と感じさせる。

NY株は3年間でダウ平均が+97%、S&P500+103%になった。

しかし東京市場は+40%と反騰のペースは遅い。金融危機の震源地のウォール街は地に足のついた戻り歩調であるが、日本は震災という世紀の災害を被った。

日本株は週末、日経平均が1万円台を一時は回復したが、ウォール街に比べて高揚感はない。

日本株の戻りの足を引っ張っているのは円相場である。昨日のNY市場では82.44円と円安で終わったが、3年前は98円であった。NY株の3年間の株価2倍に比べて日経平均は半分以下の+40%の戻りである。この差は震災に加えて円高が日本経済を直撃したからである。

米国では企業収益の増加率が株価の上昇率を上回って推移してきたが、東京市場では企業業績の悪化が株価に影響を与えてきた。不振の理由は単純明快である。

先行き日本株はNY株に追いつくのか?

カギの一つは為替相場である。ここ3年間の円高で輸出企業は必死の合理化を行ってきた。それに震災で一段とコスト改善と構造改革に取り組んできた。この2つの効果が先行き顕在化すれば、日本のプレゼンスが見直される可能性は十分にある。特に外人投資家が「震災でも円高になった」理由を分析しはじめたことには注目したい。

短期的には相場は過熱ゾーンにある。調整は避けられないが、その後には今回の2つの問題を乗り切った企業が市場のけん引役になり、NY株とのギャップを埋めることになるだろう。