昨日はついにニューヨーク市場のダウ平均が史上最高値を更新した。いままで何度か挑戦しながら、引け値ではなかなか2000年1月14日の11722ドルを抜くことができなかった。
相場が勢いづいたのは原油価格の下落と、金相場の大幅安である。このためにインフレ懸念が遠のいた。
NYダウ平均は新値を切ったが、S&P500は2000年3月の1527ポイントには届かず12.7%も下値水準である。またナスダックは2000年3月の高値から55.6%と半値の水準である。
この点を市場参加者のなかには気にする向きが多い。
NYダウ平均はブルーチップで構成されているが、全体の動きをより的確につかむのにはS&P500の動向の方が正確である。
いまひとつ注目しているのは本欄で時々、取り上げるウォーレン・バフェットのバークシア・ハザウェイ株が史上最高値の97,473ドルをつけ10万ドルに近づいたことである。バークシア・ハザウェイが最近はヘッジファンドなどにも組み入れられコア銘柄にしているところを散見する。「相場に迷ったらバフェットに賭ける」というのが合言葉になっている。
NYダウ、バークシア・ハザウェイは史上最高値、S&P500は新値に届かず、ナスダックは最高値の半分の水準というのはなにを意味しているのか?
市場を動かす世界の投資家の先行きの見方が一致していないことの証明である。われわれもNYダウ平均の動きだけをみて米国株の動向を判断するわけにはいかない。引き続き慎重な姿勢で投資戦略を考えていく。