足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

Secular(誰にでもわかりやすい)弱気相場論・この株に注目

2004-11-17 21:28:16 | 株式
スイスで投資顧問業を営むフェリックス・ズーロッフという有名な運用者がいる。もともと典型的なバリュー投資家であるが、かれが1998年にヘッジファンドを立ち上げたのにはびっくりした。ロシア危機とヘッジファンドのLTCM破綻の起こった年であり、ヘッジファンドに対する風当たりが強くなった時期である。「なぜ、こんな難しい時期にヘッジファンドなのか?」というのが私の率直な反応であった。今年で足掛け6年になるが、ITバブル崩壊も見事に乗り切り、1年たりともマイナスの年はなかった。われわれは1998年からこのファンドに投資しているが、評判がよくて資金の流入がふえ、昨年初めには新規資金の流入はストップした。ズーロッフは「現在はsecularな弱気相場にある」というのが基本的な相場観である。「secular(通俗の:現世の)」はなかなか日本語にし難い英語だ。市場用語として使われ出したのはそんなに古い話ではない。彼は「スパーブル・サイクル」(長期の上昇トレンドは1980年初めに始まり2000年に終焉した」という。それでは2002年秋からのNY株の上昇は一体にどう理解したらよいのか?「secular(誰にでもわかりやすい)弱気相場の中の中間反騰」とみる。「誰にでもわかりやすい」というのは私の意訳である。かれは昨年1月の米バロンズ誌の新年の座談会に出て「中間反騰が始まった」として短期、中期の相場に強気に転換した。そして今年、春には慎重論をとり、最近は目先き積極的な戦略に出ている。このように自由自在に動けるのはヘッジファンドという「買い」と「カラ売り」の組み合わせの戦術を取れるからである。有言実行。彼の相場観から得るところは、日本も12月まで上昇が続くということである。
光通信(9435)の復活に注目。9月中間期は有利子負債は26億円、現預金は576億円と大幅な財務内容の改善。改めてこの会社のバイタリティーには感心した。10月27日号のトリトン通信で注目したが、1万円台乗せがある。ソフトバンクより一足先に成長軌道に乗った。詳報は次号のトリトン通信で紹介する。