湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

10ウン年前の東北林道ツアー

2007年07月08日 | 自転車生活
 大学2年の夏に北東北をひとりで走った。目的は弘西林道や田代相馬林道といった北東北の憧れの未舗装の林道を走るためだった。

 民話の里の遠野まで輪行して、自転車で遠野を1日観光してから早池峰山、田沢湖、マタギの里として有名な阿仁町、そして白神山地をはしる田代相馬林道と弘西林道を通って日本海に出た。そこからは十二湖に寄り道してから津軽半島をぐるっとまわった。走った距離は10日間で800kmと今の感覚からすると決して多くないけれども、当時の感覚と体力からすると結構ハードな旅だった(ちなみに体力は間違いなく当時のほうがあった)。

 この年のクラブの夏合宿は東北からかなり遠く離れた場所で行なわれた。にもかかわらず合宿前にわざわざ東北を走ったのにはいくつか理由があるのだけれども、そのひとつはなるべく早く自分のなかでダートの林道を走ったり、林道のなかでテントを張ったりといったことにたいする抵抗をなくしておきたかったから。この当時はまだそういうことにあまり慣れていなかったので恐怖心や緊張感も少なくなかったので。

 人や車が通らないような山深い林道をひとりで走る抵抗感はこの旅以降ほとんどなくなった。そうしてその後僕は、この旅がなければ走りに行かなかっただろうと思われるような場所に何度か出かけていくことになった。そういった意味ではこの年の東北林道ツアーは僕にとって決して小さいものではなかったし、だからこそ今でも印象深い旅のひとつになっている。