湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

付き合いが長いぶん

2007年07月07日 | 自転車生活
 このブログをはじめるときに僕が心配したことのひとつ。それは自転車との付き合いが長い分だけ(性格的要因ももちろんある)、ぼやきのようなすっきりしないことを書いてしまうことも多々あるだろうということだった。

 自転車をはじめてそんなに時間がたっていない方のブログには、たとえば僕のような人間がすっかり忘れてしまった新鮮な空気が感じられる。これは決して上から目線で見ているわけではないことを理解して欲しいのだけれども、そこには本当に爽やかな風が吹いているように感じられる。自転車に乗ることの純粋な喜び、風を切ることの気持ち良さ、自分の足でこんな遠くまで走れてしまうといった驚きなどなど、そんなものがとてもストレートにこちらに伝わってくるような気がする。

 もう少し自転車を楽しもう、自転車と深く付き合おうと僕が再び思ったのは、実はこういった方々のブログから伝わってくるそうした新鮮で開放感のある空気に影響されたからだったりする。ちょっとおおげさだけれども、そうした方々のブログを読んでいると、「これはリアル自転車少年記なんだ」と思ったりすることが何度もあった。それぞれきっかけは違うけれども、ある程度の歳になってからふとしたことで自転車と出会う。そしていい年をした大人がどんどん自転車というシンプル極まりない自分の力で移動する乗り物に引き込まれていく。そうしてそのなかで様々な喜びや楽しみや苦しみや驚きを感じていく。そういったことが綴られた数々の自転車ブログは、大人が主役ではあるけれども、間違いなく魅力的な『リアル自転車少年記』だと今でも僕は思っている。大人になるとなかなか新しい趣味に出会えなかったりするから、余計に新鮮な気持ちが伝わってくるといったこともあるのだろう。

 一方僕のブログには当初危惧したとおり、そういったたとえば恋愛初期のような温かく柔らかい熱のようなものはほとんどない。逆にあるのは、結婚してもう何年もたってすっかり熱が失われてしまった夫婦のあいだに流れている空気のような気がする。でも僕はそれでもやはり自転車が好きだし、この先も末永く付き合っていけたら思ってる。だからこそ、そのためには関係を冷めさせないためのある程度の工夫や努力が必要だと思っているわけだけれども、その試行錯誤の一端を綴ったものがこのブログなのかなのかもしれない・・・などと自分をなぐさめるためにたまに思ったりしている。