万葉集から

　新(あらたしき)。年之(としの)始乃(はじめの)。波都波(はつは)流能(るの)。家布(けふ)敷流(ふる)由伎能(ゆきの)。伊夜之(いやし)家餘其騰(けよごと)。
　
　新しき 年の初めの　初春（はつはる）の　今日（けふ）降る雪の　いや重（し）け吉事（よごと）　　　　（巻二十・四五一六）
（新年の初春の今日、いま降っているこの雪のように、もっと積もれ、良い事よ）

　　　　　　　　　　　　　　　　　
　あたらしき・・っていうのは、気持ちのいいもんだ。新しい洋服とか、新しい靴とか、新しい家とか、新しい友人とか、新しい夢とか・・。　
　すでに新しい年が始まっておる。　
　新しい雪が積もり、その上を歩くとサクッサクッと山靴の音がして、やわらかい雪だからいつのまにかアイゼンにも雪が固まり・・・