年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

河童健在

2015-08-19 00:00:00 | Weblog

 近頃の子供は泳ぐのにプールを利用するか、あるいは少数の人が家族と海に行くかだろうと思っていたが、狭くて浅い川でも堰の内側の少しだけの窪みをめがけて毎日水遊びに興じる小5の子供がいる。気持ちいいか…と話しかけると二人はピースサインを送ってくれた。

 ヒルメシも食べる時間がない日である。本日の行先は大井造船作業場、いわゆる塀のない刑務所である。ここは今治拘置支所の管轄ではない。松刑直系の刑務所である。ここに移送される受刑者は、規律違反のない人、しかも社会生活に戻るにあたり前向きであり、ある一定以上の知能指数も持っている。自治寮のような「友愛寮」にある事務所内応接室で面接した相手は29歳の青年。罪名刑期刑名は知らない。娑婆に出てからの就職活動などの相談にのる。
 壁に本人たちが書いた習字が並べられている。活動、静、穏などの漢字が書かれていた。その横には教誨師の話の日程がある。浄土真宗、キリスト教、天理教・・・などの各宗派が来られて寮生である受刑者に諭しているんだろう。

 29歳の青年の前職は量販店やコンビニなどで接客販売の経験を持っていた。人と接する仕事が好きです・・という。でも、ここの造船所で得た資格を活かしての仕事も考えているという。その資格とは、ガス溶接や電気溶接、フォークリフトや玉掛けなどである。家電の設置など技術を伴う少しの手作業と口先だけでお客様に喜ばれる仕事も経験があるが、大きな鉄の塊を職人さんみんなで加工し形成される過程に自分も身を置くとそのような仕事にも魅力を感じます・・と述べる。青年の話を聞きながら、彼がフト口に出した、クチサキだけの仕事・・に思いを馳せた。自分をも重ねながらである。帰りの車のフロントガラスには強い雨つぶがあたって来た。運転手さんもワイパーを強く動かしている。早く帰らねば。
 午後1時半には「こころ塾」に4人の相談が待っている。一人はADHDと医師の診断書に読める発達系の障害を持つご婦人、もう一人は対象喪失感から抜けきることなく心療内科に通院している人は医師から廻って来た人、あとの二人は若い男女の学生さん。「こころ塾」にインターンシップ研修に2週間来ている、「働く」ことをテーマに私に面談が回ってきた。いつもの振り返りを持ってきて。強みとか、楽しかったこと辛かったこととか、何をしてどのように頑張ったとかの羅列に、うんざりしながらの聞き役。二十歳にしては少女趣味的な幼い感じのする内容に戦意喪失。だから、ついつい私も質問に回ることになる。趣味は?、書道デス。好きな字は?、ハイ・和です。じゃ、和の何が好き?平和とか。じゃ平和とは具体的にどういう意味?。フ~ン、ところで9条について考えてるの?集団的自衛権について考えてるんだろうね・・・などと趣味の話から今問題となっていることなどに話が展開すると思いきや、沈黙の時間が多くなってしまった。二十歳の学生はいろんなことに壁にあたりながら学生生活を送っているらしいことがわかった。でも自分は、優しく手を取って若い人たちのサポートをする、などは全くない。若い人に対して大切なことはできる限りぶ厚い壁を見せつけること。手離すこと、簡単に援助などのことをしないことであり、問題を見つけそこを乗り越える習慣をつけること、を学ばすことが、育む意味になるんだと思っている。何かがあるとすぐに手助けをする悪しき癖が私の周りの人に多く散見される。それが正当な仕事であるかのような仕種に希望を見つけることができないでいる。
 自分が思うインターンシップは、ミスマッチを防ぐなどと正解を求める行動ではなく、やりたくないことを探す方に力を注いでもらいたいと思うがなぁ。
 

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