年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

山田洋次という監督

2017-06-19 20:51:20 | Weblog
 山田監督の映画はかなり観ていると思う。寅さんシリーズに浜ちゃんの釣りバカシリーズ。そして学校シリーズも、また藤沢周平の作品を映画化したものなど数えるのに枚挙に暇がない。山田監督の映画は価値観としてまっすぐ上昇志向することを良しとする単純のことではなく気持ちや心に寄り添う見方をする方が理解しやすいと思う。長男の家に(爺が資金源か長男がローンを組んで建てた家か不明)同居する舅・姑に長男夫婦と男の子2人の6人家族として設定。それに小姑夫婦と義弟夫婦がからむドタバタありの今日観た映画は、
 これ、家族シリーズもの。瀬戸内海の大三島の向かい側の島、大崎上島出のお父さんが設定されている。今の家族のあり様を間違いなく描いている。前回、前々回と云わんとする台本は違うが、親の立場と子供たちの立場の違いを分かりやすく描いていると思う。しかし嫁の舅に対する気遣いは描写されてはいるが、角の生えた嫁VS舅・姑のバトルが描かれていない所が不満・・・
 山田洋次さんの家族に対する考え方として父親と母親の立場を明瞭に表している本に、岩波ブックレットがある。
 私がいつの頃読んだものか忘れてるが、本箱の隅から探し出して開けると紙の色は茶色に変色しておった。その中に私の好きな個所がある。P50~51の抜粋

寅さんの教育論
  山田洋次

「奮闘努力」の家庭教育

昔は職人の子は職人になるのが当たり前だったから、父親は職業の上での指導者として息子を一人前の職人にする責任があったし、息子は父親から仕事を学び取って早く一人前になりたいと願ったのでしょう。今の時代は親が子供に世の中に出て役に立つということを真剣に教えるということは少なくなりましたね。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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また、夕方父親が早めに帰ってきて、今日、飯食ったら夜店行こう、と言うと、嬉しくてしょうがないとか、親父についていくと、ひょっとしたら、映画館に入るんじゃないかなんて思って、胸をワクワクさせたみたいな、そういう父親の像って、今は消えかけているようです。
 どうしてなんだろう。父親は母親と違って、子供が最初に接触する社会の入り口のようなものですから、生きていくことのめんどう臭さとか、そのための技能とか、世の中のいろいろなルールとか掟を教えてくれるのが父親としての役割ではないかと思うのですけれど。
『家族』(70・10)という映画のときに考えたことは、あの家族は荒波に翻弄される船の上に乗っているようなもので、ブリッジに立って操舵輪を握るのは父親なんだろう、しかし、あまりに波風が強くてときどき勇気が挫けたり気持ちが萎えたりする、それを励ますのは妻なのだろう。妻というのは優しくて、弱いものなんだけど、なぜそうなのかといえば、優しくて弱いからこそ、夫は勇気を奮い起こせるのではないか。夫を男らしい毅然とした人間であらしめるためにも、妻は気は優しく弱い役割をつとめるということではないか。 さらにいえば、男はほんとうは意気地のないところがとてもあって、それが女性の強さに支えられて、男らしくあるべく必死に頑張るという形で男の強さが実はあるのではないかというようなことです
 いまの時代は優しさを父親が受け持っているという形が多いみたいですね。いまの父親が生きている管理社会は、男らしくりりしく生きようとすれば、あまりにもぶつかることが多過ぎて、はじきとばされてしまうのではないでしょうか。

 こんなところに赤色で線を引っぱている。たぶんその頃の自分は父親と母親の役割について、ともすれば1年の内ほとんど家に居ない生活をしておりいきおい子供に対する教育のことで父親の立場を明確にしておきたかったんだろう。

 人と人との関係性において親と子の関係が最も難しい・・と教えてもらったのは精神科のK.Dr。切断不可能な関係でもある反面、家族という“巣”の中で善悪とか好き嫌いとか欲望の中に金銭など経済的なもの、また地位や名誉などが複雑にからみつくそのような志向性が巣の中で育まれたうえで、社会に出ていけば価値観が他人との摩擦の原因になったりすることがある。生きていくのは面倒くさいものであると感じるのはこのような摩擦がある時。

 でもなぁ・・・親と子の家族関係を土台にして子が社会に出るにあたって事件を起こし、成熟できていない子が刑期〇年などの判決が記された分厚い書類を毎回読まされると、家族っていったいなんだろうと・・カウンセリングするのに興味から質問することはタブーだが、ついつい自分が口にするのに、ハガキや手紙を出す肉親はいるか、とか親から手紙が来るか、面会に来ることがあるか・・のことを聞くことがある。

 とりあえず今日の建設的行動は、実生のオクラを20株ほど植えたこと、キューリにネットを立てたこと。水遣りは明日の雨を期待してお休み。面倒くさいことが最上位にきたもんでなぁ。

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