年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

就職困難者であっても豊かな人がいる

2011-12-08 00:00:00 | Weblog
 Aさんは、うつ病と診断されて10年が経過する。治療薬は4種類あり、飲まないと調子が悪いのだという。私のところに相談に来られたのが5年前であった。その後、期間限定の仕事に就くことができてしばらく顔を見ていなかったが、期間満了となり、久しぶりに私のところにやってこられた。病気になる前までは大手の企業に勤められていたが、会社を辞めて、住宅ローンを返すことができない上に、奥様を亡くされて途方に暮れていられたのが5年前。子供が3人いて当時高校生と中学生の双子の3人を父親1人でどのように育てていけばよいか、悩んでいられた。何度も子供を連れて向こうに逝こうかと考えた、と話してくれた。それで、今日彼から話を聞いたことは、住宅は手放したこと、長男は防衛大学に入り仕送りをする必要がなくなったこと、また下の子供二人とも専門学校を卒業して今年から就職することができたこと…などとうれしい報告を聞いた。しかしまだまだ働かなければならず、自分の仕事を探すためにやってこられた。誰にも頼ることなく、頼るのは治療薬のみで頑張ってこられたAさんに、ただただ驚いた。がんばりましたね・・と声をかけるとひげを生やしたAさんは恥ずかしそうな顔をした。 
 Bさんが来られた。2回目の相談である。Bさんは、産業廃棄物の収集の仕事を20年していたが、社長と衝突して辞めた。雇用保険を受給しながら仕事を探していられる。辞めたわけをお聞きしていると、理不尽な社長のやり方に我慢が出来ず、とうとう辞めたのだ、と云った。Bさんも長年連れ添った奥様を昨年亡くされている。その奥様との間に遅く子供ができて、今年中学生になったばかりだという。なんとか子供が独立するまでは仕事をしなければならない、と云った。私は、再婚は?と話を向けると、とんでもないです、一緒に苦労した女房を別のお墓に入れるわけにはいかないときっぱり話してくれた。AさんもBさんも共通しているのは、奥様を亡くされていること、と子供のために仕事をしなければならないと話してくれたことである。そして再婚の意思がないことと二人とも口の周りにひげを生やしていたことであった。お二人のお話を聞いていると、まっすぐに生きている人の豊かさを感じ取れた次第。