暘州通信

日本の山車

◆35114 日本の古代祭祀 一

2011年03月29日 | 日本の山車
◆35114 日本の古代祭祀 一
 これは仮説である。
 日本の古代人には山上に神を迎える思想があり、その神は自然現象の中に感得あるいは体得される【自然神】と、天寿の尽きた死者を神として祀る【人神】に二大別されることは既に述べた。
 両者を通じて言えることは、【自然神】には性別が無いことが多く、【人神】は性別がある例が多い。
 佛教でも死は、往生などといわれるが、往生と成佛は一如ではない。しかし、佛になることと如来になることは同義であり、如来になれば性を離れるが、菩薩以下、羅漢、比丘、比丘尼、弟子らはまだ性別がある。古代人は、山上に巨石を組んだ磐座をつくり、巨木を神木として崇め、柱や、ほく(鉾)をたてて神を迎え、送った。
 神を迎える限定された神聖な場所を【神籬(ひもろぎ)】あるいは【御阿禮(みあれ)】などとといい、神籠る山を、【御軆山(ごしんたいさん)】といっている。神は降り、しばらく滞在し、やがて還御となる。かくて神が永久に滞在されることは無かった。
 山のない平地では、集落の長老の死去に伴い墳墓を築き、ここに遺体を安置した。この墳墓を古墳とよんでいろいろな形態がある。古墳は妊娠した女性の腹部、南から東に向けて開口し、両側に鏡岩をたて、羨道~玄室にいたる構造は女性の陰部を形象化している。
 古墳は歴史時代に入って、大陸から齎された思想が同化しているが、おおむね七世紀ころまでは古墳も形を変えながら築造された。古墳の上に神社が祀られる例も見られる。
 山に自然神、人神の霊を迎え、この霊を【カムイ、カム、カモ、カミ】などとよぶのはおそらく縄文期にまで遡って考えられる日本固有の思想であり、やがて、文字の伝来により、【】の文字が与えられ、これを、【カミ】と訓読み。【シン】と音読みする例が定着していった。