現成公案の勉強会とは言え、何もないこんな所に毎年よく来てくださると思ってしまう。それに応えるべく私の役割はご飯作り、禅宗では典座という。しかしこの時期の野菜はビニールハウスでまだ畑に定植できる大きさになっていない。
そこで食材は山菜になる。蕨、屈、独活、筍、葉山葵、限られた材料で何ができるか。四日間の朝昼晩のメニューを考え、足りないお肉や魚は買い出しに行く。日によって人数が違うが、20人から30人分となるとその量はスーパーのカート6台分になってしまった。
準備は一人ではできない。その日その時によって必ず助っ人がいて、予定時間に出来上がった。今回は筍がたくさん手に入ったので必ずメニューに登場した。煮物、揚げ物、炒め物、おこわ、何にでも使え、重宝した。
みんなの参加理由は道元の教えなのだが、中には半分はご飯が楽しみできています、とか、料亭の料理より美味しいと言う言葉もいただいた。お米は無農薬自家製肥料、お味噌、漬物、佃煮類も自家製、水は山水、空気は澄んで美味しい条件が揃っている。
今年はいつもより緑が濃く広くこのよろみを装っていた。常連の人、初めての人、でももう帰りには仲間となり、みんなの笑い声が響いていた。但し、5日の午後、能登半島に地震が襲った。ここは震度5強、でも揺れは大きかったものの、幸いにも被害はなく収まった。皆様からご心配いただき、ありがとうございました。
山笑うよろみ。来年もお待ちしております。